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- 2025/09/03 掲載
【徹底解剖】10地銀を取込み“怪物銀行”に……SBI「第4のメガバンク構想」は最強か?
連載:「地銀」ビジネス最前線(第6回)
株式会社マリブジャパン代表取締役。日本金融学会会員。三菱銀行、シティグループ証券、シティバンクで、主に銀行クレジットアナリスト、富裕層向け資産運用アドバイザーとして活躍。その後、独立。著書に『銀行ゼロ時代』(朝日新書)、『人生100 年時代の銀行シニアビジネス事例』(近代セールス社)、『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(講談社+α新書)など。
SBI「第4のメガバンク構想」、既に結構スゴイ理由
SBI新生銀行は、SBIホールディングスが全額負担する形で2025年7月末に約2,300億円の公的資金を完済した。1998年から続いていた公的資金の返済は、「早期完済は難しい」と言われていたが、SBIグループ入りからわずか3年半で実現した。SBIHDの北尾会長兼社長の有言実行ぶりが際立つ結果となった。そんなSBI新生銀行は現在、東京証券取引所へ上場申請を実施しており、年内の上場を目指している状況だ。また、公的資金完済により、SBI新生銀行は経営の自由度が飛躍的に高まり、M&Aを含む成長投資などより積極的な成長戦略の推進が可能になった。
そうしたこともあり、SBIグループでは、SBI新生銀行のさらなる成長に向け、同行を中核とする「第4のメガバンク構想」を徹底推進すると打ち上げている。
「第4のメガバンク構想」とは、資本関係の有無に関係無く、SBIグループが全国の地域金融機関と連携し、システムや業務プロセスの効率化を図るとともに、SBI新生銀行をコアとする「広域地域プラットフォーマー化」を目指すというもの。また、日本のオーバーバンキングの問題を解消するため、地域金融機関の再編成を促し、より健全な状態への進化をサポートする狙いがある。
直近の動きとしては、2025年8月、SBIグループは東北銀行との戦略的資本業務提携の締結を発表した。SBIグループによる「第4のメガバンク構想」は、2019年9月の島根銀行との資本業務提携を皮切りに、福島銀行、筑邦銀行、清水銀行、東和銀行、じもとHD(きらやか銀行、仙台銀行)、大光銀行と続き、今回の東北銀行との資本業務提携で10行目となった。
10行の総資産は単純合算すると14.4兆円規模となり、SBI新生銀行を加えれば34.8兆円となる(2020年3月末)。これは、地銀トップのふくおかFGの32.2兆円、横浜銀行を擁するコンコルディアFGの24.7兆円を凌駕する規模と言える。
【図解】SBI×地銀の提携、双方にどんなメリットある?
それでは、SBIと地銀の提携にはそれぞれどんなメリットがあるのだろうか。提携地銀10行に対して、SBI新生銀行から提供される内容としては、金融商品販売、有価証券運用、協調融資、ファンド組成、ストラクチャードファイナンス、ノンバンク・リース、基幹システム共同利用、DX化支援、共同店舗、ネット支店、地域創生など、資本、ノウハウ、商品・サービス、ネットワークなどがある。
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