- 2026/01/11 掲載
「給料は上がったのに生活苦しい……」、やはり実質賃金はマイナスだった
実質賃金とは?押し下げた原因2つ
実質賃金とは、賃金の増減を「買える量」の変化として捉えるため、名目賃金を物価指数で調整した指標だ。毎月勤労統計調査では、現金給与総額などの名目賃金の動きとあわせて、実質賃金の前年同月比を示す。名目が増えても、同じ期間に物価がそれ以上に上がれば、実質は減る。家計の実感としては「手取りが少し増えても、買い物かごの中身が目減りする」という形で現れる。2025年11月分の速報では、実質賃金が前年同月比2.8%減となり、2025年1月から11カ月連続のマイナスとなった。
実質賃金を押し下げる要因は大きく2つある。1つは物価上昇の持続、もう1つは賃金側の伸びの鈍化だ。11月は後者が目立った。名目賃金(現金給与総額)の伸びは前年同月比0.5%増にとどまり、市場予想(同2.3%程度)を下回ったとされる。
賃金の「中身」を見ると、影響が分かりやすい。ボーナスなどに当たる「特別に支払われた給与」が前年から17.0%減となり、総額の伸びを押し下げた。
一方、基本給に近い所定内給与も前年同月比2.0%増と伸びてはいるが、前月から伸び率が鈍化したという。
ここで重要なのは、生活者が日々触れるのは「総額の平均」ではなく、固定給、残業代、賞与、そして物価の組み合わせだという点だ。賞与が振れれば月次の名目賃金は動くが、食料品や外食の価格は日常的に積み上がる。賃上げがあっても、家計の購買力が戻りにくい構造がここにある。
家計を直撃する物価上昇、その中身を分解する
物価上昇を「何が上がっているのか」で見ると、家計への打撃の輪郭がはっきりする。食料は支出に占める比率が高く、値上げが広がると体感インフレは強まりやすい。帝国データバンクがメーカー各社の値上げ公表資料などをもとに集計した「食品主要195社」調査では、2025年に値上げが判明した食品は累計2万609品目に達した。単発の改定ではなく、原材料高に加え、人件費・物流費などのコスト増を背景に、値上げが長期化している状況を示す。
2026年の見通しも同調査が示している。2026年1~4月に値上げが予定される品目数は3593品目で、前年の同時期と比べると約4割減少したとされている。
ただし、減少は「値上げが終わる」ことを意味しない。値上げが続いた結果、消費者側の値上げ耐性が低下し、販売数量が落ちる、PBなど廉価品に需要が移るといった変化が出ている一方で、コスト増を販売価格へ転嫁しやすい環境になった可能性もあると同調査は指摘している。
値上げのペースが鈍っても、上がった価格水準が戻らない限り、生活コストは高止まりする。 【次ページ】丸亀製麺のうどんや崎陽軒のシウマイ弁当も値上げ
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