- 2026/03/30 掲載
日本企業が“量子実装前夜”にやるべきは? 「人材育成・組織、事例」ガイド保存版(3/3)
“計算機革命”を勝ち取る
かつて日本企業が時価総額ランキングの上位を独占していた時代があったが、デジタル革命によって日本企業は凋落の一途を辿った。「量子は、デジタルに次ぐ計算機の“革命”です」(寺部氏)
巨額の資金が流入し、もはや半ば確定した未来と言える“量子革命”の後、覇権を握っているのは誰なのか。
前編記事でも示したように、寺部氏は、日本にはユースケースを作りやすいというアドバンテージがあると説明する。これは、製造業、金融、化学、医療、物流など幅広い分野に大手企業が存在していることが背景にある。
「日本には、量子を次の基幹産業にできるポテンシャルがあります。今この局面で量子産業の主導権を確立することが、日本の次の稼ぐ力を育てる鍵、と言っても過言ではありません。量子時代の勝ち組が決まるこれからの数年が、この国にとって大きな分岐点になると思います」(寺部氏)
「取り組まないことが最大のリスクになる」
寺部氏の言葉を借りれば、量子はもはや「やるかやらないか迷うテーマ」ではない。寺部氏が量子に関わり始めた10年前、量子の世界は、興味を持った個人がボトムアップで探索する領域であり、経営層が自社戦略として量子を取り入れることは稀だったという。
しかし、量子コンピューターの実用化時期が迫る中、状況は大きく変わっている。
「ここまで世界的に量子への投資が進んでいる段階で、活用可能な企業が量子に取り組まないとすれば、敢えて強い言葉で言うともはや経営者やCTOの問題とすら言えるのかもしれません。高い感度をもって量子の世界を探索し、自社ビジネスへの活用を図る行動が求められていると思います」(寺部氏)
いち早く一歩を踏み出した企業こそが、量子時代の勝ち組になる。そして、それぞれの企業の取り組みの積み重ねの先に、量子が日本の基幹産業となる未来がある。
デジタル革命で日本が味わった失敗を繰り返さないためにも、政府、アカデミア、量子ハード/ソフト企業、そしてユーザー企業それぞれの行動が求められている。
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