- 2026/04/20 掲載
AIに落とされる…総合商社ら大手が続々導入「AI面接」、“お見送り”になる人の特徴(2/2)
AIが決める「合格の条件」…“落ちる人”の特徴
第1は、論理構造だ。つまり、結論→理由→具体例という流れが、論理的に間違いないか、話が一貫しているかどうかが評価される。また、志望動機と経験が一致しているか、矛盾がないかなどがチェックされる。第2は、言語の明瞭性だ。話す速度が適切か?無駄な言いよどみがないか、などが音声解析され、評価される。
第3は、表情、視線、姿勢などの非言語情報だ。
逆に評価されにくいものとしては、熱意(主観的なものだから)、人柄、雰囲気や空気を読む力などがある。
AI面接で落ちる人の典型パターンは、次のようなものだ。
- 話が長いが結論がない
- 抽象的(たとえば「頑張りました」だけなど)
- 話が飛躍する(論理破綻)
- カメラを見ない
結局、AI面接で重視されるのは、「人に好かれる」ことではなく、「論理的に評価される」ことだ。
AIが採用のルールを書き換える
samurAI Agentsの「人×AI」は、企業ごとの採用基準を学習する次世代AI駆動型RPO(採用支援)サービスを展開している。まず、過去の選考データ(ES、面接評価、合否結果など)を機械学習する。過去のエントリーシートや面接データから、採用担当者が明確に言語化できていない審査指標や、各項目の重要度を数値化する。継続的なチューニングにより、人事担当者の審査結果との一致率を90%以上まで向上できた。
こうして、「汎用(はんよう)AIでは実現できない、その会社専用のAI」を構築した結果、採用担当者も気づいていない「潜在的な審査基準」をAIが発見できたという。
たとえば、「経験のユニークさ」が合否に影響していることをAIが発見した。これを人事担当者にフィードバックし、新たな審査項目として追加し、選考精度がさらに向上したという。
キリンや三菱UFJも導入…AI面接はすでにスタンダードに
メーカー・金融などの大企業を中心として企業導入はすでに始まっており、たとえば、ダンロップが導入している。キリンホールディングスは、エントリーシートに基づいてAI面接官が質問し、合否を提案する仕組みを導入した。エントリーシートの読み込みから1次面接までをAI面接官が担当する。書類選考のみで候補者を落とすことなく、多角的に評価できるようにするのが狙いだ。「受検者1000人の満足度が『95%』に達していることが特徴」と同社は説明している。また、採用を行う企業側の業務負担を減らせるなどのメリットもあるという。
ローソンは、AI面接で合否判断せず、全員を次の人事面接に進ませる形式をとっている。三菱UFJ銀行は、2027年卒の新卒採用でAI面接を導入し、学生が選択できるようにした。
総合商社3社(三菱商事、住友商事、丸紅)も2027年卒採用からAI面接を導入している。いまや企業の半数が採用活動にAIを導入しているとの調査結果もある。
企業は導入、学生は拒否?AI面接を巡る学生の本音
マイナビが2026年卒大学生を対象に実施した調査によると、企業が選考の評価にAIを利用することについて「使ってよいと思う」という学生の意見が最も多かったのは、「適性検査の評価検討(49.8%)」だった。一方「使ってよいとは思わない」は「面接内容の評価検討(47.5%)」が最多だった。明確に数値などで結果が出る適性検査ではAIの利用は受け入れられるが、人柄など数値で表すことが難しいものを評価する面接では、受け入れられにくい傾向が見られる。
対面面接では84.1%、WEB面接では88.2%の学生が「受験意欲が高まる」と回答しているのに対し、AI面接では時間や場所を問わず受験できるという利便性は評価しつつも、AIの評価基準への疑問や抵抗感も示されている。
「人間に落とされるのは仕方がないが、AIに落とされるのは受け入れられない」と考えるのは、当然だ。米国では、AIによる差別や個人データの収集に関する訴訟も発生している。
企業側は、こうしたことに対応するため、面接の受け答えに応じたフィードバックを提供したり、学生が選考の公平性を実感できるよう、工夫したりしている。また、適切な利用に向けたガイドライン作成の動きも進んでいる。
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