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  • 2026/09/21 06:30 掲載

AIの危険は“間違った答え”だけではない…AIエージェントに「任せてはいけない領域」(3/3)

連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質

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行動するAIを「途中停止」させるのは難しい

 AIエージェントの問題が難しい理由は、誤った行動が連鎖するからである。

 普通の生成AIなら、間違った答えを出しても、その答えを使わなければよい。

 しかしAIエージェントは、答えを出すだけではない。1つの判断をもとに次の行動を行い、その結果を使ってさらに次の行動を行う。外部システムに対してすでに操作を行っている場合もある。

 たとえば、メールを送ってしまえば、AIを停止しても送信されたメールは消えない。ファイルを削除した後でAIを停止しても、ファイルはすでに削除されている。

 つまり、問題の本質は、AIの思考が、外部世界での行動に結びついていることにある。

 また、AIは、人間よりはるかに速く大量の作業を実行できる。したがって、AIエージェントには多重の安全装置が必要になる。具体的には、つぎのとおり。

  1. AIに与える権限を必要最小限にすること。
  2. 重要な行為には人間の承認を必要とすること。
  3. 行動回数、費用、計算量などに上限を設けること。
  4. AIが何をしたかをすべて記録し、後から検証できるようにすること

AIの新段階に人間の役割はどう変わるか

 これまでAIは、人間の知的作業を補助する道具と考えられてきた。

 しかしAIエージェントは、人間が設定した目的のもとで、仕事そのものを自律的に組織し、実行する主体に近づきつつある。

 したがって、これから重要になる問題は、「AIに何ができるか」だけではない。

「AIにどこまで任せるのか」、「どこで人間が介入するのか」、「AIが自ら仕事を組織する場合、それを誰が監督するのか」といった問題が重要になる。

 AIエージェントは、生成AIを、便利な回答装置から自律的な実行主体へと変えつつある。その可能性は非常に大きい。しかし、その能力が高くなるほど、人間がどのように統制するかという問題が重要になる。

 今後のAIを考える上で、AIエージェントの発展とそのコントロールは、最も重要な論点の1つになるだろう。

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