- 2026/03/22 掲載
経産省、フィジカルAIを重点分野にAI半導体・デジタル産業戦略の改定
フィジカルAIでデータの最適化や半導体の供給網強化を目指す
今回の改定では、ロボットや機械を自律的に制御する「フィジカルAI」を戦略領域の最重点分野として位置づけている 。フィジカルAIは製造業や物流、医療など様々な分野での応用が期待されており、2030年以降に市場が急速に立ち上がると見込まれている。
骨子案では7つの重点課題と施策が明記されており、工場などの現場データをAIの学習や利用に適した形に最適化する「AIレディ化」の推進や、データ基盤の整備などが盛り込まれた 。今後は金型をはじめとする製造現場の暗黙知をAIで活用するためのデータ変換手法を確立し、多くの産業分野で横断的に利用できるプラットフォームの育成を目指す。
また、多用途ロボットや自動運転車などのAIロボティクス領域において、関連する最先端半導体やデータセンター、通信・電源などのインフラストラクチャーを連携させた政策方針を推進する 。ハードウェア面では、データセンター向けのロジック半導体やメモリーに加え、自動車などで用いるマイコンやパワー半導体、センサーを含めた設計および供給能力の強化を図る。
人材育成の面でも課題が浮き彫りになっており、経済産業省の推計によると、AIやロボットの開発・活用を担う専門人材は2040年に国内で339万人不足するとされている 。これを受け、骨子案の重点課題には「デジタル人材基盤の再構築」が掲げられており、共通するデータや半導体技術とともに人材育成を強化する方針である。
さらに、政府が策定を進める官民投資のロードマップに関連し、2040年に国産半導体の売上高で40兆円を目指す目標も戦略に盛り込まれる見通しである 。政府は総合経済対策において、2027年に次世代半導体の量産開始を目指すラピダスなどへの支援を念頭に、AIや半導体分野に対して2030年度までに10兆円以上の公的支援を実施する方針を固めている。
これにより50兆円規模の民間投資を呼び込み、関連産業全体の競争力を高める狙いがある 。経済産業省はこれらの施策を通じて、AIと半導体を個別の政策課題としてではなく、統合されたエコシステムとして構築する国家戦略を推進し、今夏をめどに最終的な戦略改定をまとめる予定である。
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