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- 2026/05/06 掲載
時価総額「日本の予算の13倍」…スペースXが圧勝か? 迫る大型IPO「3銘柄」の明暗
連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤
米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の基礎を学ぶ。現在、米国の経済を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』などの紙媒体に発表する一方、『Japan In-Depth』や『ZUU Online』など多チャンネルで配信されるウェブメディアにも寄稿する。海外大物の長時間インタビューも手掛けており、金融・マクロ経済・エネルギー・企業分析などの記事執筆と翻訳が得意分野。国際政治をはじめ、子育て・教育・司法・犯罪など社会の分析も幅広く提供する。「時代の流れを一歩先取りする分析」を心掛ける。
投資家も熱視線を送る「スペースX」
上場直後に株価が大きく跳ね上がる銘柄には共通点がある。一般的には、(1)成長業種に属し、将来性が見込める物語性がある、(2)業績が右肩上がり、(3)株価が急落するのを防ぐための大量売却の一定期間制限(90~180日間のロックアップ)がかかっている、(4)他のIPO案件と日程が重ならない、などが挙げられよう。こうした中、スペースXは市場から「優良IPO」として熱い注目を浴びている。その理由はズバリ、まだ収益化していないオープンAIやアンソロピックと比較して、高速・低遅延の衛星インターネットサービスStarlink事業を中心にすでに黒字化を達成している点にある。
さらには、打ち上げロケットと宇宙船を再利用可能にして宇宙輸送コストを劇的に下げたStarship事業、そしてAI開発のxAIを垂直統合し、「AIによる宇宙開発」という壮大な青写真を描く物語性に投資家は魅力を感じているのだ。
特に、地球上の軌道を1万200基(4月10日時点)という圧倒的な数の通信衛星で覆い尽くし、どこにいても安定したネット通信環境を提供するStarlinkは、2025年12月末時点で会員数920万に対して年間売上が100億ドル(約1兆6,000億円)あった。
スペースXは4月1日に非公開で米証券取引委員会(SEC)にIPOを申請。750億ドル(約12兆円)の調達を目指す。その評価額は最大で2兆ドル(約320兆円)と予想される。これが実現すれば、世界の企業を時価総額で評価したランキングにおいて、エヌビディアやアップルなどに続き、6位から8位につけることも可能だ。
ところが、Starlinkのバラ色の実績が誇張されたものではないかという報道が4月10日に、IT業界サイトのThe Informationから出された。スペースXは2025年に80億ドルの黒字を出したのではなく、実際には50億ドル(約8,000億円)の赤字であったというのだ。ではこの赤字の正体とは何なのか。
「巨額赤字」報道の衝撃…それでも期待が揺るがない理由
この赤字の「犯人」は、スペースXが2026年2月に買収して合併したxAIだ。1日あたり平均2,800万ドル(約44.5億円)をデータセンター利用料など演算能力に費やしているからだという。そのため、2025年7~9月期だけで純損失が14.6億ドル(約2,318億円)に上ったとされる。6月のIPOが目前に迫る中、スペースXの総帥であるイーロン・マスク氏にとっては、大変悪いニュースに思える。
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