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- 2026/04/27 06:50 掲載
500人の工場が5人に…?エヌビディアら牽引「フィジカルAI」の想像以上の実力を超解説
連載:デジタル産業構造論
法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 / d-strategy,inc / Third Ecosystem,inc / Inclusive AI,inc 代表取締役CEO
野村総合研究所、産業革新投資機構JIC-VGIなどを経て現職。法政大学 デザイン工学部 システムデザイン学科 准教授として、産業価値デザイン研究室にて生成AI・AIエージェントや、フィジカルAI・AIロボット、データスペースなどデジタル技術・先端技術をビジネスや社会の価値へ転換するための手法論の教育・研究を実施。
戦略・DX支援企業のd-strategy,inc(企業のAI変革、DX戦略、デジタルソリューション戦略)を創業し代表取締役として、フィジカルAI、AIエージェントをはじめとするデジタル化・自動化・技術変化の中での企業やスタートアップのDX/ソリューション・イノベーション戦略を支援。
また、グローバルでのスタートアップエコシステム連携プラットフォームのThird Ecosystem,incの代表取締役CEOとして海外・国内のスタートアップエコシステム(VC/CVC/企業/大学/政府機関/スタートアップ)の連携・活性化、スタートアップ企業やエコシステム企業の海外展開支援や、海外スタートアップの日本展開に取り組む。
Inclusive AI,incにおいて盲ろう者(目が見えない・見えづらく、耳が聞こえない・聞こえづらい)、視覚障害者、高齢者等向けのAIエージェントなどのAIサービス開発を実施。「制約のある方を含めすべての方が前向きに活き活きと暮らし、学び、挑戦できる世の中」をAIエージェントやフィジカルAIを通じて実現していくことを目指す。
最新刊として『フィジカルAI進化論~自律するロボットとともに作る産業の未来~』(SBクリエイティブ)を26年10月1日に出版予定。
その他、近著に『生成DX~生成AIが生んだ新たなビジネスモデル~』(SBクリエイティブ)、『メタ産業革命~メタバース×デジタルツインでビジネスが変わる~』(日経BP)、
『製造業プラットフォーム戦略』(日経BP)、『日本型プラットフォームビジネス』(日本経済新聞出版社)があり、ビジネス+IT連載『デジタル産業構造論』、MONOist等にてWebメディア連載。
youtubeチャンネル『フィジカルAI時代の産業論 (d-strategy / Third Ecosystem 小宮昌人)』 @dstrategyinc にて生成AIをはじめ産業のデジタル化を解説
なぜ今、「フィジカルAI」に注目が集まっているのか?
AI(人工知能)の進化は目まぐるしいスピードで進んでいる。画像認識などの「Perception AI(認識AI)」、文章や画像を生成する「Generative AI(生成AI)」、そして自律的なエージェント機能を持つ「Agentic AI(AIエージェント)」を経て、重要性が増しているのが「フィジカルAI(Physical AI)」だ。フィジカルAIとは、ロボットや自動運転車などが現実世界(物理世界)で活動するために必要な知見を学習し、物理法則を理解した上で複雑なシナリオを生成、シミュレーション・制御フィードバックや実行するAIを指す。
たとえば、エヌビディアは、世界基盤モデルとして、自動車やロボットの学習・シミュレーション・フィードバックを行うフィジカルAI関連のソリューションを多数展開している。下図がアマゾンの倉庫に導入されているフィジカルAIの一例だ。
このアマゾンの物流現場では、ピッキングロボットや自律搬送ロボット(AGV/AMR)の学習に合成データが活用されている。手法としては、メタバース環境で仮想的にロボットの動作環境を再現し、そこでインテグレーションやトレーニングを行う。そして生成AIにより、荷姿や周囲の状況、走行環境といったあらゆるシナリオを想定し、高速かつ安全に学習を行うことが可能となっている。
こうした「フィジカルAI(現実世界で動くロボットや機械を制御するAI)」の進展と合わせて、最近では、ロボットや機器の内部に組み込まれる「エンベデッドAI」が大きく進化している。その変化についても見ていきたい。
ロボット内部にAI?「エンベデッドAI」が起こす仕事革命
エンベデッドAIとは、機械の中で動き、その場の状況に応じて動作を柔軟に変えるAIのことだ。この技術の進化によって、従来の機器やロボットのあり方そのものが変わりつつあり、その流れがヒューマノイドロボット(人型ロボット)の発展にもつながっている。では、なぜこうした変化が起きているのか。ヒューマンロボット発展の背景には、生成AIの普及がある。ITの分野では、プログラミングコードを自動で作るAIの活用が急速に広がっているが、同じような仕組みがロボットや制御機器にも応用され始めている。つまり、ロボットの動きを制御するためのプログラムも、自動で生成できるようになってきているのだ。
この結果、ロボットは周囲の環境に合わせて柔軟に動きを変えながら、従来のように多くの人手をかけずに(あるいは最小限の手間で)制御やシステム連携(インテグレーション)を行えるようになる。これまで必要だった細かな設定や調整の負担が、大きく軽減される点が重要なポイントである。
さらに、この仕組みを発展させると、ロボットに生成AIを組み込み、あらかじめ基本的な動作だけを教えておき、後は人間が自然な言葉で指示したり、その場の状況に応じて判断させたりすることで、柔軟に動作を切り替えるといった運用も可能になってきている。
このように事前のシステム構築(インテグレーション)の負担が最小限になることで、ロボットの専門知識を持たない企業でも、高度な作業をロボットに任せられるようになる。また、状況に応じた判断や動作の切り替えが求められる現場、つまりこれまでロボット導入が難しかった工程や作業にも、ロボットを活用できる可能性が広がっている。 【次ページ】なぜ今「人型ロボット」? あえて“人型”にする納得の理由
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