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- 2026/02/10 掲載
【業界必読】2026年の半導体「7大予測」、エヌビディア「一強」はいつまで続くのか
慶應義塾大学 大学院管理工学にて修士課程を修了。
1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年よりIHS Markitで、半導体をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。2017年9月に同社を退社し、同年10月からコンサルティング会社Grossberg合同会社に専任。
【予測1】2026年に需要が高まる分野/弱まる分野は?
ロジック、メモリの需要はますます高まりそうだが、メモリ、特にDRAMに関しては年末年始の不足感が過熱し過ぎていて、強い違和感を覚える。世界半導体市場は、2024年に前年比19.7%増の成長を記録し、2025年12月に発表されたWSTS(世界半導体市場統計)予測によると、2025年は同22.5%増、2026年は同26.3%増と3年続けて高い伸びを記録する見込みである。この伸びを支えているのはロジックとメモリであり、どちらもAIの実現に必要なデバイスだ。
AIには特に「学習」機能の実現において膨大なデータ処理が必要であり、最先端ロジックであるGPUや高速メモリであるHBMなどが中心的な存在と言って良いだろう。この傾向は2026年も続くことが予想され、WSTSでもロジック市場の伸びを同32.1%増、メモリ市場の伸びを同39.4%増、と予測している。
もう1つ、ディスクリート市場の動向にも注意が必要だと感じている。金額にしてディスクリート市場の約7割がパワートランジスタで占められており、この市場が供給過剰状態に陥ってディスクリート市場全体がマイナス成長となっていた。
2025年後半から徐々に回復基調にはなっているものの、この分野では多くの中国メーカーが量産を立ち上げようとしている。クルマの電動化に不可欠なデバイスで、需要の増加は見込めるが、それを上回る供給が単価を引き下げ、市場全体が伸び悩む可能性がありそうだ。
【予測2】大手テック企業の「内製化」で業界構造は変わる?
2025年11月、米グーグルが開発したAI半導体を米メタが購入するというニュースが報じられ、話題を呼んだ。グーグルのように、大手テック企業による半導体の内製化は必然的な流れだが、半導体市場全体に影響するほど大きな流れではない。
大手テック企業の「半導体内製化」は、自社のサービス向上を目的として開発されているケースがほとんどで、エヌビディアのような半導体メーカーの「外販ビジネス」とは異なり、基本的に外販を目的とはしていない。さらに、エヌビディア製GPUとの併用を前提としている事例が多く見られる。
たとえばエヌビディア製GPUに「学習」を任せ、自社のAIプロセッサで「推論」を行うなど、自社が提供するAIサービスに付加価値をつけるために、目的を意識した推論機能を実現するような戦略である。
現時点で大手テック企業が提供するAIは「生成AI」に代表される汎用(はんよう)的なデジタルAIが多く、何か特定な用途を意識したAI、あるいは自動車を運転したりロボットを操作したりするようなフィジカルAIは、これから登場してくることが期待される。そのようなAIシステムやサービスの進化の過程において、独自のシステム・サービスの実現を目的としたカスタムAI半導体を内製化する動きは、極めて必然的な流れだ。
ただ、テック企業のこうした動きは、半導体市場全体を変えるような大きな流れではないものの、エヌビディア製品の単価高騰に対する一定の抑止力にはなり得るのではないだろうか。エヌビディア製GPUの単価は、2024年のヒット商品「H100」が3万~3万5,000ドル、2025年のヒット商品「GB200」が6万~7万ドル、などと推定されている。これらを使わないわけにはいかなくとも、搭載数量を少しでも減らす、という努力は各社とも行っているようである。 【次ページ】【予測3】DRAM高騰などメモリ価格上昇は続く?
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