- 2026/04/07 掲載
寺にロボットがやってきた…京大「ブッダロイド」から見る“専門家いらず時代”の行方
仏教と対話するロボット誕生、京大発「ブッダロイド」の狙い
なぜ、京都大学はブッダロイドを作ったのか──読者がまず抱くのは、この素朴な疑問だろう。京都大学は2026年2月25日、熊谷誠慈教授らの研究グループが、仏教と対話できる生成AI搭載ヒューマノイドロボット「ブッダロイド」を、システム受託開発サービスを行うXNOVAと共同開発をしたと発表した。ベースになっているのは、同研究グループが先に開発していた仏教対話AI「ブッダボット」だ。つまり今回のロボットは、突然生まれた“宗教ロボット”ではなく、チャットボット型の仏教AIを起点に積み上げてきた研究の延長線上にある。
もう1つのポイントは、実装先としてヒューマノイド(人体に似たロボット)を選んだことだ。ブッダロイドは中国Unitree Roboticsのヒューマノイド「Unitree G1」に搭載している。
画面越しの対話ではなく、同じ空間に立ち、声を発し、所作を見せる。研究側は、こうした「身体性」を伴う対面相互作用に意味をおいたのだ。用途としても、対話だけでなく宗教儀礼や対話の補助への応用を想定する。
仕組みも、要点だけ押さえれば難しくない。発表資料では、まず経典の文言を提示し、その上で解釈や追加説明を生成する設計を示している。つまり「根拠(原典)→説明(噛み砕き)」の順で、AIの回答を“浮つかせない”工夫を入れている。宗教儀礼の補助・代替にも触れていて、この研究はかなり実務的だ。
仏教は、膨大なテキストと解釈の積み重ねで成り立つ知識体系である。そこに生成AIを組み合わせ、「質問に答える」「教義を説明する」「人生相談に近い対話をする」といった機能を“対面の存在”として実装した。
では、これまで社会に普及してきたロボットは何だったのか。ここを整理すると、ブッダロイドの“異質さ”がはっきりする。もし宗教の知識体系を生成AIとロボットが「対面で応答する存在」として担えるのだとすれば、医療・法律・教育のような別の「専門知」でも、同じ構図が起きる可能性があるのだ。 【次ページ】ブッダロイドが示す“知識を持つロボット”の新段階とは?
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