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- 2026/01/09 掲載
工場で「爆増」しそうな人型ロボット、日本のものづくり企業が激変を迫られるワケ
なぜ今、「工場×人型ロボット」が話題になるのか
世界最大の家電見本市とされたCES。かつてはテレビやスマートフォンなど消費者向け機器の発表の場だった。ところが2026年は「物理世界で動くAI」、いわゆるフィジカルAIが大きなテーマになり、ロボットの展示が目立った。その背景にあるのは、製造現場の人手不足と、安全面の課題だ。危険作業や反復作業を人から機械へ移すという文脈は以前からあったが、近年はセンサーとAIの進歩で「環境が変わっても対応できる」ロボットが現実味を帯びてきた。
人型が話題になりやすいのは、工場が人の動きに合わせて設計されているためだ。通路の幅、部品棚の高さ、工具の取り回しまで、人の身体を前提に最適化されている。人型は設備側の作り替えを最小限にできる可能性がある。
工場側が設備を作り替えるコストも無視できない。新ラインの立ち上げでは、ロボットの導入だけでなく、治具、搬送、検査の工程設計がセットで動く。人型が注目されるのは、設備側の改造を抑えられる期待がある一方、量産現場では稼働率が最優先で、少しでも停止が増えると採算が崩れる。
結果として、派手なデモよりも、まずは「部品のキッティング」「順立て(シーケンス)」「完成品のパレタイズ」といった比較的限定された工程から始める例が多い。
最近は、自動運転で培った認識・判断技術をロボットへ横展開する動きも出ている。モービルアイは1月6日、人型ロボット新興メンティー・ロボティクスを約9億ドルで買収すると発表し、工場や倉庫での応用をにらむ。
もう一つの要因は、投資家や消費者の関心が「AIは画面の中」から「AIは現実を動かす」へ移ったことだ。 【次ページ】ロボット導入で、最初に変わるのは仕事ではなかった
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