• 2026/05/27 掲載

日立製作所、ホンダとの出資会社と自動運転向けAI開発基盤を共同構築

仮想空間に再現するデジタルツインを活用しSDVの知能化加速

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日立製作所と自動車部品メーカーのアステモは2026年5月20日、自動運転や高度運転支援システム(ADAS)向けのAI開発基盤を共同で構築すると発表した。現実環境を仮想空間に再現するデジタルツイン技術を活用し、ソフトウェア定義型車両(SDV)時代の車両智能化を加速させる。2026年度末(2027年3月末)の運用開始を目指す。
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(画像:ビジネス+IT)
 自動車産業は現在、車両の価値がソフトウェアによって定義され、販売後も継続的に機能が更新されるSDV(Software-Defined Vehicle)への転換期を迎えている。この変化に伴い、周囲の状況を判断して車両を制御する運転支援AIの中核技術としての重要性が増している。しかし、AIの学習や検証を実車の走行テストのみに依存する従来の手法では、開発にかかる時間とコストが膨大になり、技術進化のスピードに対応できないという課題が生じていた。

 今回構築される新たな開発基盤は、日立のデジタルツイン技術とフィジカルAIのノウハウを中核技術として導入する。現実の複雑な交通環境や車両の物理法則をデジタル空間上に高精度で再現し、AIを搭載した仮想車両を何十万回も自動走行させる厳格なテスト環境を構築する。シミュレーション上のAIの判断を実際の車の動きに適合させることで現実とのギャップを埋め、高い安全性を確保しながら人間が乗って心地よいと感じる自然な運転挙動を学習させる。

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日立製作所、ホンダとの出資会社AstemoとAI自動運転基盤を開発へ(図版:ビジネス+IT)

 仮想空間での膨大な検証結果を設計へ即座にフィードバックする仕組みにより、実車を用いたテストの限界を突破し、AIの開発プロセスを劇的に短縮する。法規制の変更や新たな交通ルールの施行など、外部環境の変化が生じた際にも、ソフトウェアのアップデートを通じて迅速に対応する開発体制を整える。

 日立とアステモは2026年度末までに本基盤を確立したのち、将来的には自社グループ内に留めず、他の自動車メーカーやサプライヤーに対しても業界共通のオープンプラットフォームとして外部提供する計画を立てている。各社が膨大な投資を要するAIの検証インフラを共通利用することで、企業は独自の車両制御技術や新たなモビリティサービスの開発といった付加価値領域に開発リソースを集中させることが可能になる。両社は本協業を通じ、自動車業界全体のAI開発サイクルを自律的かつ高速に回すインフラストラクチャーの確立を主導していく。

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