• 2026/06/08 掲載

SpaceX、通信衛星「Starlink」21機と米政府向け機密衛星「Starshield」2機を軌道投入

米政府機密衛星、軍事の衛星が民間のミッションで初軌道へ

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米スペースXは日本時間2026年6月7日、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からファルコン9ロケットを打ち上げ、自社の通信衛星「スターリンク」21機と、米国防総省や情報機関向けの機密衛星「スターシールド」2機を所定の軌道に投入した。政府の安全保障ネットワーク構築を担う衛星が、民間の商用打ち上げミッションに相乗りする形で軌道へ運ばれた。
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(Photo:SpaceX)
 打ち上げは日本時間7日午後1時24分(現地時間6日午後9時24分)に、ヴァンデンバーグ宇宙軍基地の第4東発射施設(SLC-4E)で実施された。ミッション「Starlink Group 17-43」において、ファルコン9ロケットは発射から約8分後、太平洋上に待機していたドローン船「Of Course I Still Love You」への第1段ブースターの着陸に成功した。使用されたブースター「B1097」は、5月15日に実施された国家偵察局(NRO)の機密軍事ミッション「NROL-172」などに続く通算10回目の飛行であり、前回の打ち上げから約26日という短い間隔で再整備され投入された。

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【図版付き記事はこちら】SpaceXがStarlink21機とStarshield2機を打ち上げ(図版:ビジネス+IT)

 今回軌道に投入されたスターシールドは、スペースXが米国防総省や情報機関向けに構築を進めている安全保障用途の衛星プラットフォームである。同社は民生用高速ブロードバンドを提供するスターリンクの技術基盤を活用し、地球観測や暗号化通信、軌道上データ処理機能を提供するスターシールドを展開している。米国家偵察局をはじめとする情報・国防機関は、少数の大型偵察衛星に依存する従来の体制から、多数の小型衛星を低軌道に配置する分散型アーキテクチャへの移行を急いでいる。NROは2024年から2025年にかけて同ネットワーク構築のための打ち上げを11回成功させており、2026年に入っても継続的に軌道上への配置を進めている。今回のスターシールド衛星の具体的な性能や軌道上の役割は機密とされている。

 共に打ち上げられた21機のスターリンク衛星には、次世代型の「V2 Mini」が含まれている。V2 Miniは推進剤として従来のクリプトンやキセノンに代わりアルゴンを使用するホールスラスターを搭載し、推力と比推力を大幅に向上させた機体である。政府の機密衛星が民間向けの通信衛星ミッションに混載される事例が増加している背景には、スペースXが確立した高頻度なロケット打ち上げスケジュールを直接活用し、宇宙空間における防衛通信網の構築を迅速化する米国の宇宙戦略が反映されている。

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