- 2026/07/01 掲載
なぜ中国企業は強く見えるのか…日本企業が勘違いするテック強国の「本当の実力」(2/2)
【米国への挑戦状】習近平政権による「中国製造2025」の代償
習近平政権が発足した2013年、中国の名目GDPはすでに世界第2位となっており、国内では国家発展モデルへの自信が高まっていた。多くの著名な学者が中国の制度的優位性や経済成長の持続可能性を強調していた。こうした楽観論の中で、習近平政権が打ち出した重要政策の1つが「中国製造2025」である。この政策は、半導体、AI、ロボットなどの戦略産業で世界的競争力を確立することを目指したものだった。
しかし、この政策は米国側に中国の技術覇権への挑戦と受け止められた。2018年以降、米国は対中制裁関税を発動し、中国企業による知的財産権侵害や技術流出への懸念を理由に、中国テック企業への規制を強化した。その結果、ZTEやファーウェイなどは大きな影響を受けることになった。
結果論ではあるが、中国が先端技術分野での野心を過度に強調せず、より慎重な姿勢で技術開発を継続していれば、米国の警戒感を一定程度抑えることができた可能性もある。
米国に勝てない理由とは…SMICが映す半導体国産化の現状
生成AIやヒト型ロボットの産業チェーンを見ると、中国はレアアースや重要鉱物などの上流資源分野で極めて大きな影響力を持っている。一方で、半導体分野では依然として制約が存在する。中国最大の半導体受託生産企業であるSMICは旧世代の半導体の製造能力を持つが、最先端半導体の量産に必要な製造装置へのアクセスはいまだに限定されている。
報道によれば、SMICは7ナノメートル級の製造技術を実現したとされるが、量産効率や歩留まりの面では今もなお課題を抱えていると指摘されている。
本来、半導体やAI産業は国際的な分業体制によって成り立っている。資源、素材、製造装置、設計、組み立てなどを一国のみで完結させることは極めて難しい。ところが近年、中国と先進国との関係悪化によって、こうした国際協力の枠組みが弱体化している。
たしかに、中国企業の技術力は1990年代と比較して飛躍的に向上した。しかし、最先端半導体製造装置や高性能AIチップなど、一部の核心技術では今もなお先進国の企業への依存が残っている。
2026年から始まった第15次5カ年計画では、生成AIやヒト型ロボットの開発支援が重点分野として位置付けられている。中国企業は機械制御や量産能力で強みを発揮しているが、高性能AIチップや基盤ソフトウェアの分野では依然として課題が残されている。
一方、米国企業はAIモデルや半導体設計で優位性を持つものの、製造や実装の面では課題を抱えている。つまり、米中両国は異なる強みと弱みを有しており、技術競争は単純な優劣ではなく、それぞれの補完関係のうえに成り立っている。
中国テック企業は“最大の壁”を乗り越えられるのか
中国テック企業は急速な成長を遂げたが、その発展は外国企業からの技術吸収、巨大市場の存在、そして国家による支援政策によって支えられてきた。一方で、先端半導体や基盤技術の分野では依然として制約を抱えている。今後、中国が真に技術大国として発展するためには、国内産業の育成だけでなく、国際社会との信頼関係を再構築し、グローバルな技術協力の枠組みに積極的に参加していくことが不可欠である。
技術革新は一国のみで完結するものではなく、国際協力と競争の両立の中でこそ持続的な発展が可能になるからである。
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