- 2026/07/16 18:40 掲載
富士通・ファナック・安川電機・川崎重工がAI協業…米エヌビディア技術で現場革命へ
富士通と国内ロボット大手3社がフィジカルAIで協業
少子高齢化に伴う労働力不足や熟練技術者の減少が深刻化する中、製造業を中心とした各産業では業務の自動化による生産性向上が急務となっている。従来のロボットは事前に設定された単純作業を繰り返す仕組みが中心であったが、近年は状況の変化をAIがリアルタイムに認識して自律的に判断し、物理的な動作へ反映させるフィジカルAIへの移行が求められている。しかしながら、高度なロボット制御技術や高品質な現場データを統合したインフラ基盤を個別の企業が単独で開発し普及させることには限界があった。そこでITインフラとデータ分析に強みを持つ富士通が中心となり、産業用ロボット市場で世界的なシェアを持つ大手3社と連携して、各社の機器を接続するソフトウェアやハードウェアの共通基盤を開発する運びとなった。
今回の協業では、企業のデータや技術を自国内で安全に管理するソブリン性を保ちつつ、異なるメーカーの設備やロボットが相互に連携できる協調制御基盤を構築する。工場における生産状況に合わせた自律的な工程最適化のほか、小売や物流におけるリアルタイムの在庫データと連動した搬送業務の無人化、病院内での医薬品や検体の自動搬送など、多様な現場への適用を予定している。適用領域が大きく広がることでサイバー攻撃やシステム障害のリスクが高まるため、高水準のセキュリティ機能も組み込む。さらにこの制御基盤は他企業や研究機関にもオープンプラットフォームとして提供し、産業界全体でのフィジカルAI普及を推進する。
技術面においては、半導体とAI分野を主導する米エヌビディアの基盤システムを構成要素として活用する。物理空間をデジタル上に再現して現場全体の理解や予測を行う世界基盤モデルのほか、ロボットの学習や動作検証を効率化する開発ライブラリを取り入れることで、開発期間の短縮と制御精度の向上を図る。今後は各社で具体的な技術開発の工程や事業展開に向けたロードマップを策定する見通しだ。国内の優れたロボット制御技術と現場データを融合させた基盤を確立し、人とロボットが協働する社会の構築と日本の産業競争力の維持を目指す。
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