- 2025/10/16 掲載
テスラやユニツリーへの勝算は?“大集結”で挑む「純国産ヒューマノイド」計画の全貌
米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。
京都発「国産ヒューマノイド計画」の全貌
10月2日、京都で一般社団法人KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)が、日本初となる純国産ヒューマノイドロボット開発に向けた製作体制とその内容を発表した。KyoHAは6月、京都に本社を置くロボット製作会社テムザックと村田製作所による国産ヒューマノイド製作計画の発表を契機に発足された組織である。今回は新たな参画企業と具体的な製作スケジュールなどが公開された。
当初の参画企業・団体にはテムザック、村田製作所、SREホールディングス、早稲田大学が含まれていたが、今回は新たに沖縄科学技術大学院大学(OIST)、マブチモーター、カヤバ、NOK、ヒーハイストなどが参画を表明した。さまざまな領域のプロフェッショナルが集結し、ロボット製作への体勢は整ったと言える。
OISTがAI部分も含めた技術全般のディレクションを担い、具体的な実装をテムザックが担当、ハード機体の設計などにテムザック、ヒーハイス、NOK、センシングや通信関連は村田製作所、アクチュエータはマブチ、カヤバが担う。そしてロボットの頭脳であるAIは、OISTのディレクションに基づきSREがコーディネーションを担当する。
今後のスケジュールとしては、2025年末までにロボットのスペック確定し、2026年2~3月ごろに初期プロトタイプの製作、そして2026年末にはセカンドプロトタイプの製作予定が予定されている。
セカンドプロトタイプに関しては、最大で50キログラム程度のモノを持ち上げられる「パワー重視モデル」(身長は2.5メートル程度)と「俊敏性/機能性重視モデル」(成人サイズ)が計画されているという。
パワー重視モデルは建設現場や災害救助の現場で活躍することが想定されており、俊敏性/機能性重視モデルは家庭内や工場内でのアシストのほか、ロボットの世界競技会「ロボカップ」でサッカーができるロボットを目指す。 【次ページ】なぜ今?「純国産」にこだわる“必要がある”理由
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