- 2026/08/28 06:50 掲載
なぜラピダスは「大量生産しない」のか? 日本が復活に賭けた「2nm半導体の勝ち筋」(2/2)
日本が「ラピダス」に賭ける理由
TSMCの工場誘致が現在の産業基盤を固める戦略であるならば、戦略の第2段階は未来の最先端領域への挑戦です。その中心を担うのが、2022年8月に設立されたラピダス(Rapidus)です。トヨタ、ソニー、ソフトバンク、キオクシア、デンソー、NEC、NTT、三菱UFJ銀行という、日本を代表する8社が出資し、政府が支援を行うという異例の布陣でスタートしました。ラピダスは、日本が長らく関与できていなかった最先端ロジック半導体の領域において、一気に世界トップレベルへと跳躍することを目指しています。
ラピダスの歩みは、これまでの日本の産業史にはないほどのスピード感で進んでいます。ラピダスが掲げる目標は極めて野心的です。2027年後半に、現在世界でもTSMCやサムスン電子、インテルしか到達していない2nm世代の最先端半導体の量産開始を目指しています。
ラピダスの「独自ビジネスモデル」
ラピダスが掲げるビジネスモデルは、単なる大量生産ではなく、特定の顧客向けに設計から製造までを短期間で完結させる新たなファウンドリモデルです。ラピダスではこれをRUMS(Rapid and Unified Manufacturing Service)と称しています。
熊本へのTSMC誘致は、自動車や産業機器に不可欠な現行世代の供給網を固め、経済安全保障の盾を築く守りの戦略です。
一方、ラピダスは、日本が最先端のロジック半導体開発から脱落したおよそ20年間の空白期間を一気に飛び越え、2nm世代という最先端の矛を持つための攻めの戦略と言えます。
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