- 2026/08/21 12:10 掲載
上場翌日にユニツリー株18.7%安…創業者が語ったヒト型ロボット「大規模展開」の壁
登壇したのは、世界のロボットやエンボディドAIの専門家、企業関係者らが集まる「応用牽引」をテーマとする主フォーラム。王氏は「展示品から製品へ:ヒューマノイドロボット産業の次の10年」と題して講演した。
ユニツリーはこれまで、自動車工場でのロボット導入や自社工場での簡単な試験を進めてきた。家庭で作業するロボットの研究開発にも取り組んでいるという。
ただ、現状の人形ロボットは簡単な組み立てなどができる一方、作業効率は人を下回る。新しい作業に直面するたびに再び訓練が必要になることも、展開の効率を下げている。王氏は、技術の汎化能力を高め、より正確に作業できるようにした上で、具体的な用途で大規模展開を進めたいとの考えを示した。
エンボディドAIとは、AIをロボットなどの身体と組み合わせ、現実世界を認識しながら行動させる技術を指す。王氏によると、現在のAIモデルは固定された環境で十分に訓練すれば、作業の成功率を100%近くまで高められる。しかし、扱う物や周囲の環境が変わるだけで成功率が大きく下がるという。
このため、最大の課題はAIモデルの入出力と現実のロボットとの「ずれ」を解消することにあるとした。
王氏が、エンボディドAIがChatGPT登場時のような産業の転換点を迎えたと判断する目安として示したのが、「80%」という数字だ。ロボットを未知の環境に持ち込み、音声や文字による指示だけで約80%の作業をこなせる状態。それを80%程度の未知の環境で実現できれば、汎用ロボット市場が大きく拡大する転換点になるとの見方だ。
一方、上海証券取引所によると、ユニツリー株は20日、前日終値から6.51%安の790元(約1万8,700円)で取引を開始した。その後も下落し、終値は18.70%安の687元(約1万6,200円)となった。
王氏の講演は同日の株式市場の取引開始前後に行われた。ただ、王氏の発言が株価下落を直接引き起こしたことを示す事実は確認されていない。
ユニツリーは前日の19日、上海証券取引所の科創板に上場した。発行価格は150.80元(約3,600円)だったが、初値は1,100元(約2万6,000円)と発行価格を629.44%上回った。
その後は上げ幅を縮小したものの、初日の終値は845元(約2万円)。発行価格を460.34%上回る水準で取引を終えており、上場初日の急騰から一転して、2日目に大幅な調整となった形だ。
王氏は同日の講演で、ユニツリーが「物理AIロボット自進化」とする技術体系を研究していることも明らかにした。AI大規模モデルを中心に、研究成果の調査やロボットの制御コード生成、シミュレーション、実機テスト、評価までを循環させ、開発を自動化する構想だという。
王氏の今回の発言では、ヒト型ロボットが工場や家庭へ一気に普及する時期を示したのではなく、その前提となる技術的な到達点と時間軸を示した格好だ。
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