- 2026/08/26 11:35 掲載
スペースX、世界最大の宇宙港建設へ…ルイジアナに15.9兆円投資
完成時には5つの打ち上げ複合施設を設け、それぞれに2基の発射台と推進剤設備を整備する計画だ。計10基の発射台に加え、推進剤の製造設備や発電設備、宇宙船の処理施設、従業員とその家族向けの住宅なども整備する。
新拠点の中心となるのが、スペースXが完全再使用型を目指して開発を進める大型宇宙輸送システム「Starship」である。ルイジアナ州政府は、新拠点を地球周回軌道への衛星投入だけでなく、軌道上データセンターの構築や月、火星への飛行にも活用する構想を示している。
ただ、Starshipはいまだ開発段階にある。2023年から飛行試験を重ねているものの、ブースターと上段宇宙船をともに発射地点へ帰還させ、繰り返し利用する完全再使用には至っていない。年間数千回という打ち上げ規模を実現するには、Starshipの再使用技術と運用頻度をさらに高める必要がある。
創業者兼CEOのイーロン・マスク氏は、「これまでSFの中にしか存在しなかった宇宙港を建設する準備を進めている」と説明した。スペースX設立の目的について、人類が宇宙を探索する未来を実現することだとした上で、そのためには宇宙へ行くことを飛行機で移動するのと同じくらい日常的にする必要があるとの考えを示している。
雇用面でも大規模なプロジェクトとなる。州政府によると、スペースXは今後10年間で3000人の直接雇用を生み出す見込みで、平均年収は9万2,600ドル(約1,470万円)。州政府はさらに8100人超の間接雇用につながり、地域全体では1万1100人超の新たな雇用機会を生むと試算している。
一方、大規模な開発に伴う環境への影響も焦点になる。予定地は約12万5000エーカー(約5万600ヘクタール)に及び、環境団体からは沿岸部の生態系への影響を懸念する声が上がる。
スペースXのグウィン・ショットウェル社長兼COOは、予定地の多くを未開発の状態で残し、海岸浸食で失われる土地の修復や保全にも取り組む方針を示した。同社はすでにルイジアナ州の関係機関と協議を進めており、今後は住民向けの説明会も開催する計画だ。
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