- 2026/09/17 15:00 掲載
製造業AIのキャディが177億円を調達、企業価値1,820億円に 北米市場へ攻勢強める
今回のラウンドには、新規投資家としてMoore Strategic Ventures、Coreline Ventures、合同会社HR Tech Fund、Woven Capital、Salesforce Venturesが参加した。既存投資家のAtomico、グロービス・キャピタル・パートナーズ、ゆうちょアセットマネジメントも継続して出資している。このうちWoven Capitalは、トヨタ自動車のグロースステージ企業向け投資ファンド。事業会社系の資金が並ぶ布陣だ。
調達した資金の使途として同社が挙げたのは「独自AI・テクノロジーの開発」「製造業AIデータプラットフォームCADDiの拡張」「北米を中心としたグローバル事業体制の拡充」、そして「採用・育成等、人材への投資」の4点。
同社が展開するCADDiは、図面や調達、生産、品質といった部門ごとに分断されたデータをつなぎ、人とAIが同じ情報と文脈を参照できるようにする基盤だ。同社はこれを「製造業OSとしての共通基盤」と位置付ける。汎用の大規模言語モデルではなく、製造業の業務に特化したモデルとアプリケーションを組み合わせる、いわゆるバーティカルAIの発想に近い。
海外展開も進む。同社は2023年から米国でプロダクトを展開しており、「世界第2位の製造業市場である米国においても、同プラットフォームの提供を開始しました」と説明する。今回の資金使途で北米が明記されたのも、この延長線上にある。
代表取締役CEOの加藤勇志郎氏は、調達に合わせて公開したエッセーで「過去30年、人類はBitの世界を100倍以上速く進化させた」と述べ、デジタルの進化に対して物理的なモノづくりの速度が取り残されてきたとの見方を示している。AIブームの資金が半導体やデータセンターに集中する中、製造業の現場データという領域にどれだけの果実をもたらすのか。国内AIスタートアップの資金調達としては異例の規模だけに、投資の成否は他社の戦略にも影響しそうだ。
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