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- 2023/11/16 掲載
暗号資産での資金洗浄を止める「トラベルルール」まとめ、運用の論点と今後の展開とは?
トラベルルールとは何か?
暗号資産や電子決済手段を送金する際に、取引経路を追跡すること可能にするために、送金元の事業者(取引所:VASP=Virtual Asset Service Provider)が、受取側のVASPに送付人と受取人に関する一定の事項を通知することを義務付けるルールである。これにより、国内VASPは、内外VASP(指定通知対象国以外は除外)に対する暗号資産や電子決済手段の移転について、金額・種類にかかわらずすべて通知を行うことが必要となる。
トラベルルールの通知事項と保存義務
通知が必要となる事項については以下のように規定されており、通知した事項および通知を受けた事項について、VASPは記録・保存の義務が課せられている。トラベルルールと導入の背景とは
もともとトラベルルールは、犯罪者やテロリストが決済手段として仮想通貨を悪用することを防止する目的でFATF (金融活動作業部会:Financial Action Task Force )によって2019年改正のRegulation 16で提唱されたものである。日本では2022年6月に可決された「安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」に盛り込まれ、関係政令の策定、パブリックコメントの募集を経て、2023年6月に施行された。
トラベルルールの対応適用対象国
トラベルルールが施行された2023年6月時点において、適用対象国として犯収法の施行令で指定された国は以下の21カ国であり、主要な国際的な暗号資産取引所の所在地となっている。日本、アメリカ合衆国、アルバニア、イスラエル、カナダ、ケイマン諸島、ジブラルタル、シンガポール、スイス、セルビア、大韓民国、ドイツ、バハマ、バミューダ諸島、フィリピン、ベネズエラ、香港、マレーシア、モーリシャス、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク
トラベルルールの国際的な対応状況
FATFによれば、2023年4月段階で世界35カ国においてトラベルルールが制定済である。関連コンテンツ
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