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- 2024/11/04 掲載
インフレ悪化は必至か…トランプ&ハリスどちらが当選しても「財政赤字はヤバくなる」
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
米国の利下げで「円高」続く可能性がある
米国の動向は、日本経済に大きな影響を与える。特に、FRB(連邦準備制度理事会)による利下げと、次期大統領の経済政策が重要だ。まず、FRBの利下げについて見よう。FRBは、インフレが一段落したという認識の下で、利下げを続けて経済を下支えしようとしている。
連邦公開市場委員会(FOMC)は、9月17、18日の会合で、今回のインフレ局面で初となる利下げを行った。夏に雇用統計が弱かったことから、利下げ幅を、通常行われる0.25%の2倍、0.5%に設定した。これは、株式市場や企業業績にプラスの影響を与える。利下げを受けて、株価は上昇傾向だ。
FRBの金融政策決定会合は、2024年中にあと2回ある。ここでは、大幅な利下げではなく、通常の利下げ幅である0.25%の利下げが行われるだろう。
日米金利差が縮小すれば、円高ドル安に向かう可能性がある。これは、自動車など日本の輸出産業には逆風だ。業績が伸び悩む可能性もある。
なおトランプ氏は、FRBの金融政策に対して大統領が発言権を持つべきだと主張している(ただし、現在の制度では大統領がFRBの決定に介入することはできない)。
そして11月5日に迫った米大統領選では、ハリス氏とトランプ氏の接戦が続いている。選挙戦では両候補ともに、人気取り政策を打ち上げている。 【次ページ】どちらが当選しても「インフレ悪化」は必至のワケ
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