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- 2025/11/27 掲載
なぜ「貯蓄から投資へ」で暗号資産も投資OKに?金融庁 今泉参事官が語った本当の理由
元毎日新聞記者。長野支局で政治、司法、遊軍を担当、東京本社で政治部総理官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て独立。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。自称「霞が関文学評論家」
前編はこちら(この記事は後編です)
なぜ、暗号資産は「資産形成に資する資産」と言える?
円建てステーブルコイン「JPYC」を手掛けるJPYC社が2025年8月に資金移動業に登録を果たし、資金決済法に基づく国内初のステーブルコイン発行が近く実現する見通しだ。一方、米トランプ政権は7月、ステーブルコインの普及を後押しする「ジーニアス法」を成立させた。JPYCだけでなく、米国をはじめとした各国によるステーブルコイン発行のユースケースが拡大していく可能性がある。そうした中、金融庁はこうした動向にどう対応していくのか。金融庁の暗号資産に対する姿勢から、今後の展開を読み解きたい。
自民党内では、暗号資産を個人の資産形成における有効なツールと位置付け、利用を促進すべきだとの声がある。また、与党の税制改正大綱(2024年末公表)でも、一定の暗号資産を「広く国民の資産形成に資する金融商品」として、業法内に位置付けるべきと記載された。
こうした流れを受ける形で、金融庁は今年4月公表のディスカッションペーパー(暗号資産に関連する制度のあり方等の検証)の中で、暗号資産について投資のリスクが「高いものと考えられる」としつつ、「たとえば、ビットコインは株式などの伝統的資産との相関性が低い」「インフレ耐性があるため分散投資の対象となり得る」といった声を取り上げ、「特に家計においてはリスクを十分に理解し、投資余力の範囲内であることが肝要であるものの、暗号資産は資産形成に資するオルタナティブ投資の対象となり得るものであり、投資家のリスク選好に応じて一部の資金を暗号資産に分散投資することも考えられる」と明記している。
今泉氏は、「もともと個人投資家、機関投資家のポートフォリオにおいては、多様な値動きの資産を加えていくことで、全体としてのパフォーマンスを安定させるという考え方は一般的に受け入れられています。また、(岸田政権下で政府が打ち出した)『資産運用立国』実現に向けた議論の中でも、オルタナティブ資産の活用が議論の俎上(そじょう)に載せられており、そのオルタナティブ資産の中に、その一つとして暗号資産を加える余地があるのであれば、役所としてもそれにふさわしい体制整備、制度整備が必要になるのかなと思っています」と話す。
金融庁「貯蓄から投資」と相性悪い“暗号資産”どう見る?
ただ、岸田政権下以来、金融庁が「貯蓄から投資へ」のスローガンの下で展開してきた資産形成促進策と、暗号資産との“食い合わせ”についてはさまざまな意見がある。
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