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  • 2025/10/31 掲載

JPYC以外もスゴイ…ゆうちょ・三井住友も参戦「ステーブルコイン実装競争」大解説

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金融庁の制度整備を追い風に、フィンテック企業のJPYCが日本初の円建てステーブルコイン発行を認可された。ついに日本の「円」がブロックチェーン上で動き始めたのだ。加えて、ゆうちょ銀行はトークン化預金「DCJPY」構想を本格始動、さらに三井住友銀行やSBIもステーブルコイン事業参入を表明するなど、“民間デジタル円”のエコシステムが一気に加速している。今、盛り上がりを見せる国内企業のステーブルコインの取り組みは、どれほど見込みがあるのだろうか。詳しく見ていきたい。
執筆:国際大学GLOCOM 客員研究員 林 雅之

国際大学GLOCOM 客員研究員 林 雅之

国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュニケーションズ勤務)。現在、クラウドサービスの開発企画、マーケティング、広報・宣伝に従事。総務省 AIネットワーク社会推進会議(影響評価分科会)構成員 一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) アドバイザー。著書多数。

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各社のステーブルコイン事業の取り組みが加速しているが…その取り組みの狙いとは?
(Photo/Getty Images)

ステーブルコイン関連の規制、どう見直された?

 国内ではステーブルコインに関する法規制整備が進んでいる。前述した2023年6月施行の改正資金決済法によって、ステーブルコインは「電子決済手段」として法的に位置付けられ、適切な発行ライセンスを持つ事業者による取り扱いが可能となった。

 この法制度では、ステーブルコインは暗号資産(仮想通貨)とは異なる区分として扱われ、裏付資産を保有し、1:1で法定通貨と交換可能なデジタルマネーの一種として認められている。

 2025年6月には資金決済法の追加改正が成立し、金融のデジタル化に対応して利用者保護とイノベーション促進の両立を図るため、送金・決済サービスおよび暗号資産・電子決済手段(ステーブルコイン)関連の規制が見直された(下図)。

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資金決済制度への対応
(出典:金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」〈第1回〉2025.7.31)

 具体的には、ステーブルコインおよび暗号資産の媒介のみを行う仲介業の新設、信託型ステーブルコインの裏付資産運用ルールの緩和(一定条件下で預貯金以外の資産運用を容認)などが盛り込まれている。

 また、金融庁は2025年7月に「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」を金融審議会に設置。暗号資産取引の法規制の見直し(金融商品取引法の適用を含む)検討を開始するなど、デジタル資産全般の制度整備に積極的に乗り出している。これはステーブルコインを含むデジタル資産市場の健全な発展と投資者保護の両面を意識した動きと言える。

 そうした中、ステーブルコインおよび関連するブロックチェーン技術の動向として、国内では既存の金融インフラとブロックチェーンの融合が進みつつある。具体的に、どのような取り組みが進んでいるのか。動き出した各社の取り組みを詳しく見ていきたい。

【JPYC】国内初…円建てステーブルコイン発行の狙い

 JPYCはこの2025年8月、資金決済法に基づく「資金移動業者」としての登録を取得、10月27日、正式にステーブルコイン「JPYC」の発行を開始した。初日は開始から3時間で1500万円分が発行されたという。

 日本国内で初めて円建てステーブルコインの発行を可能とする事業者として、新たに発行するステーブルコイン「JPYC」をEthereum、Avalanche、Polygonの3つのブロックチェーン上で展開する。

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