- 2026/05/12 掲載
暗号資産取引所のBinance、AIセキュリティで1兆6000億円超の暗号資産詐欺被害を阻止
約1兆6000億円規模の暗号資産の損失防止の報告書
背景には、生成AIの普及に伴う攻撃手法の急速な高度化がある。Binanceの分析では、現在のAI技術は防御よりも攻撃において約2倍の優位性を持っており、スマートコントラクトの脆弱性を突くエクスプロイトの実行コストは1件あたり平均1.22ドルまで低下した。さらにこのコストは2カ月ごとに22%のペースで下落し続けており、攻撃者が自動化された大規模な攻撃を展開しやすい環境が形成されている。AIを悪用した詐欺は従来の手法と比較して4.5倍の資金を奪い、不審な取引活動の頻度も9倍に達している。
特に主要な標的となっているのが、口座開設時などに求められるKYC(本人確認)プロセスである。同社に対するサイバー攻撃の約80%に何らかのKYC不正が関係しており、静止画を用いた単純ななりすましから、ディープフェイク動画や合成顔交換といった巧妙な手法へと進化している。これに対しBinance側は、顔攻撃検知やライブネス検知モデルを継続的にアップデートし、AIを活用することでKYC処理の効率を従来比で100倍に向上させた。一連の対策により、プラットフォーム内でのフィッシングの成功率を8分の1に抑え込み、不正資金への暴露を96%削減した。
暗号資産市場が成熟する中、サイバー犯罪者との技術開発競争は終わりのない軍拡競争の様相を呈している。同社は自社の防御策にとどまらず、業界間での情報共有や各国の法執行機関との連携を通じた包括的な対策を推進していく方針を示した。
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