• 2026/05/12 掲載

暗号資産取引所のBinance、AIセキュリティで1兆6000億円超の暗号資産詐欺被害を阻止

約1兆6000億円規模の暗号資産の損失防止の報告書

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暗号資産取引所大手のBinanceは、AIを活用した自社のセキュリティシステムにより、2025年初頭から2026年第1四半期にかけて約105億3000万ドル(約1兆6000億円)規模のユーザー資産の損失を防いだとする報告書を公開した。AI技術の悪用によるサイバー犯罪の高度化と低コスト化に対抗するため、同社が構築した多層的な防御網の実態が浮き彫りになった。
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(画像:ビジネス+IT)
 暗号資産取引所のBinanceが公開した最新のセキュリティ報告書および複数のメディア報道によると、同社は100以上のAIモデルを用いた24以上のリスク管理システムを展開している。このAI主導型防御システムを通じ、2025年から2026年第1四半期の15カ月間で540万人以上の顧客を保護した。2026年第1四半期単体でも約2290万件の詐欺およびフィッシング攻撃を遮断し、およそ19億8000万ドル相当の被害を未然に防いだ。

 背景には、生成AIの普及に伴う攻撃手法の急速な高度化がある。Binanceの分析では、現在のAI技術は防御よりも攻撃において約2倍の優位性を持っており、スマートコントラクトの脆弱性を突くエクスプロイトの実行コストは1件あたり平均1.22ドルまで低下した。さらにこのコストは2カ月ごとに22%のペースで下落し続けており、攻撃者が自動化された大規模な攻撃を展開しやすい環境が形成されている。AIを悪用した詐欺は従来の手法と比較して4.5倍の資金を奪い、不審な取引活動の頻度も9倍に達している。

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【図版付き記事はこちら】Binance、AIセキュリティで1兆6000億円規模の流出阻止(画像:ビジネス+IT)

 特に主要な標的となっているのが、口座開設時などに求められるKYC(本人確認)プロセスである。同社に対するサイバー攻撃の約80%に何らかのKYC不正が関係しており、静止画を用いた単純ななりすましから、ディープフェイク動画や合成顔交換といった巧妙な手法へと進化している。これに対しBinance側は、顔攻撃検知やライブネス検知モデルを継続的にアップデートし、AIを活用することでKYC処理の効率を従来比で100倍に向上させた。一連の対策により、プラットフォーム内でのフィッシングの成功率を8分の1に抑え込み、不正資金への暴露を96%削減した。

 暗号資産市場が成熟する中、サイバー犯罪者との技術開発競争は終わりのない軍拡競争の様相を呈している。同社は自社の防御策にとどまらず、業界間での情報共有や各国の法執行機関との連携を通じた包括的な対策を推進していく方針を示した。

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