- 2026/09/14 07:00 掲載
ネット銀なのに“有人の窓口”1500カ所も?メガバンク超え狙う「ドコモの銀行」の勝算(2/2)
連載:デジタル個人金融最前線(第13回)
なぜ、ドコモの銀行は“メガバン以上に”対面店舗を増やす?
ネット銀行であるドコモの銀行が、なぜ対面での店舗網をメガバンクのそれを上回るような規模で拡大するのだろうか。ドコモなどが実施した意識調査によると、「自分の金融知識が平均以上である」との回答が22%にとどまり、「お金に関することは専門家の意見やアドバイスを参考にしたい」との回答は66%に上っているという。
また、NISA未利用者の約8割が「身近に相談できる場所がない」と回答しており、金融に関する知識に不安を感じる一方、信頼できるサポート・場所を求めていることもあり、ドコモでは、ドコモショップによるサポートを強化するに至ったという。
ドコモの銀行では、「やさしい金融を、みんなの手に」という新たなコーポレートビジョンを掲げている。
全国のドコモショップを活用した対面サポートにより、スマホを通じたネット銀行での手続きや安全性に漠然とした不安を抱くシニア層や若年層などに対応する。
ドコモショップにおけるスマホ教室などで培った、顔が見える安心感と温かみのあるサポートを生かし、社内研修を実施したり資格を有するドコモショップの担当者などが、銀行口座開設や初期設定を対面で丁寧にサポートするニーズはありそうだ。
何を強化すれば良い?ドコモの銀行の“飛躍のカギ”
NTTドコモのdポイントクラブは1億会員を突破し、金融決済取扱高は17兆円を超え、このうち12兆円はクレジットカード「dカード」の利用によるものだ。特に、年会費11,000円で利益率が高い「dカード GOLD」と年会費29,700円の最上級カード「dカード PLATINUM」の合計は1203万契約に達している(2025年度)。
クレジットカードにおけるプラチナ・ゴールド比率が60%超と極めて高く、シニア・富裕層が多いと見られる。
今後、ドコモの銀行にとって重要なのは、旧住信SBIネット銀行の優れたUI/UXを生かし、デジタルネイティブ世代を中心とする若年層から支持されてきた決済サービスなどを維持・発展させるだけではない。ドコモが強みを持つシニア層や富裕層に対して、対面を含む銀行サービスを提供し、資産運用ニーズを取り込んでいくことも、継続的な収益を確保する上で重要になる。
ドコモの銀行の本格始動により、この先、デジタルネイティブ世代の維持・獲得に加え、全国の一等地に展開するドコモショップなど1500店舗を活用することで、他陣営よりも保有比率が高いプラチナやゴールドカードを持つシニア・富裕層向けに、マネックス証券などと連携して、対面での住宅ローンや資産運用サービスをいかに展開できるかがさらなる飛躍のカギになると言える。
3メガも地銀も“脅威”…デジタル個人金融の覇権争いの行方
下図が示すようにNTTドコモによる銀行・証券・カード・決済の連携と、ネットと対面を駆使した個人向け金融施策が機能し始めると、シニア・富裕層を多く抱えるとされるだけに、他の大手スマホ3社だけでなく、3メガバンクや地銀などにも脅威となりそうだ。
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