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- 2025/10/14 掲載
ドコモ・PayPay脅かす…「au経済圏」秘めたる実力、ローソン提携で覚醒する理由
連載:デジタル個人金融最前線(第7回)
株式会社マリブジャパン代表取締役。日本金融学会会員。三菱銀行、シティグループ証券、シティバンクで、主に銀行クレジットアナリスト、富裕層向け資産運用アドバイザーとして活躍。その後、独立。著書に『銀行ゼロ時代』(朝日新書)、『人生100 年時代の銀行シニアビジネス事例』(近代セールス社)、『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(講談社+α新書)など。
・講義
10月23日(木)に「勝者は誰に? 3メガバンク・4大通信キャリア・異業種勢の『金融サービス競争』完全解説の2時間」
・講師
著者 マリブジャパン 代表取締役 高橋克英氏
静かに巨大化する…auフィナンシャルグループの全体像
KDDI傘下のauフィナンシャルホールディングスは、auじぶん銀行、auフィナンシャルサービス、auペイメント、au損保、auアセットマネジメント、auフィナンシャルパートナーズ、au Reinsurance を有する金融持ち株会社だ(冒頭図表、※なお、決済事業の一元化となる推進のため、2026年7月にauフィナンシャルサービスはauペイメントに吸収合併される予定)。これらauフィナンシャルグループにおいて、auじぶん銀行の預金残高4.8兆円、口座数689万口座、auPAYカード会員数1,031万人、auPAYポイント運用利用者600万人、auPAY会員数3,770万人を誇るau経済圏(Ponta経済圏)を形成している(2025年7月1日時点)。なお、Pontaポイントは、au経済圏の共通ポイントサービスである。
特に、auじぶん銀行では、住宅ローンを強化しており、2025年1月から借入期間を最長50年としたり、ペアローン連生団信の提供開始もあり、住宅ローン残高は前年度3.0兆円から4.4兆円にまで増加している(2025年3月末)(下図)。
KDDI、および傘下のauフィナンシャルホールディングスは、スマホ・セントリックな決済・金融体験を総合的に提供する「スマートマネー構想」を推進している。
また、通信と金融の連携強化にも力を入れており、KDDIが提供するスマホ向け料金プラン「auマネ活プラン」とauフィナンシャルグループ各社の提供する金融サービスをセットで利用することで、auじぶん銀行の預金金利などを優遇する「auマネ活プラン+」の提供はその一環の戦略だ。
そんなauフィナンシャルグループと関係の深い各社との状況を整理したい。それは、今後、各社との関係がauフィナンシャルグループの成長を大きく左右する要素となるからだ。
au経済圏の重要企業(1):三菱UFJとの関係は…
KDDIは2008年、三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)と折半出資で、「じぶん銀行」(現auじぶん銀行)を設立したり、三菱UFJ証券HDが、auカブコム証券に51%出資するなど、KDDIとMUFG(三菱UFJ)の関係は、歴史的にも深いものがあった。しかしながら、KDDIが、2019年にじぶん銀行を子会社化するなど、双方が独自色を強める中、auカブコム証券を、2025年1月末に三菱UFJ銀行の完全子会社し、「三菱UFJeスマート証券」に変更する一方、auじぶん銀行は、KDDIの完全子会社となった。
この出資関係解消で、三菱UFJはグループにネット銀行を持たなくなり、KDDIはネット証券を持たないことになっていた。
こうした中、2025年5月、MUFG(三菱UFJ)は個人向け金融の新ブランドとして「エムット」を展開すること、2026年度後半にデジタルバンクを設立することなどを発表した。
au経済圏の重要企業(2):躍進の鍵? SBI証券との関係
一方のKDDIでは、2025年7月に、傘下のauフィナンシャルグループとSBI証券が個人向け事業における業務提携を検討開始すると発表されている。
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