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- 2019/08/15 掲載
インシュアテック最前線、「保険好き日本人」がなぜ正しく保険を選べないのか
見えにくい保険をイメージすることで「腹落ち感」狙う
保険ロボアドバイザー「みんかぶ保険」を運営するJapan Digital Designの山田氏は、新卒で縁があった保険に加入してから、10年間同じ保険に入りっぱなしだったという。それに対して、「みんかぶ保険」では自分の属性と質問に回答していくと、最適な保険の種類・期間・保障の大きさを算出してくれる。さらに自分と同じような年齢・家族構成の人が関心が高い保険をシンプルに可視化することができる。
「これにより腹落ちして保険選びができるようなサービスを目指しています」(山田氏)
自身が長期にわたって同じ保険に入っていた体験を踏まえ、さまざまなライフイベントなどのタイミングで利用してもらい、新しい保険の当たり前を実現しようという。
人の実際の欲望と、顧客に最適なサービスとは
400Fが手掛ける「お金の健康診断」は、チャットでお金の包括的な相談ができるサービスだ。ユーザーは自分に関する質問に20問答えると、似たプロファイルの人に対して貯金が多い・少ないなどお金に関する自分の位置付けがわかる。さらにファイナンシャルプランナー(以下、FP)や独立系のファイナンシャルプランナー(以下、IFA)とマッチングし、チャットで相談することも可能だ。
400Fの加々美氏は「ファイナンシャルプランナー協会の調査によると、FPへ相談した後の満足度は80%にも関わらず全体から見た利用率は8%に留まっています」と指摘。
お金の相談をしたいタイミングというのは結婚や出産など、ライフイベントで忙しい時期に重なっているのでなかなか時間を取って相談することが難しいところを、チャットを介することで相談しやすくするというのが「お金の健康診断」が目指すところだという。
「お金の健康診断」ではチャットでコミュニケーションを取る。チャットでのコミュニケーションはメッセージアプリなどの浸透で一般化しており、プライベートの利用では馴染み深いがプラットフォーム上でコミュニケーションを取る際にはポイントがあるという。
「FPからチャットでうまくコミュニケーションを取るにはどうしたらいいかとよく質問がありますが、『マツコ・デラックスになってください』『ツッコミに徹してください』とよく言っています。FPはユーザーが事前に登録した情報が見られる状態でアドバイスに移れるので、お子さんが2人なのに貯金額がちょっと厳しいですよね、みたいな話を導入ですると、ユーザー側の危機感も高まって盛り上がる傾向にあります」(加々美氏)
【次ページ】最適な保険に加入できないという構造的な問題を解決したい
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