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  • 2019/08/15

インシュアテック最前線、「保険好き日本人」がなぜ正しく保険を選べないのか (2/2)

最適な保険に加入できないという構造的な問題を解決したい

 最適な保険が購入しにくくなっているという心理的なハードルには、構造的な背景があると加々美氏は語る。

「たとえば、ポイントサイトなどに “この保険会社の人やFPと会えば5000ポイントプレゼント” や “この人に相談することでインセンティブが発生” のような募集がよくあると思います。しかし、そういった所から申し込んだ時点で、FP側では既に集客の費用を支払っていることになります。そのため、お客さまと話す時点でその費用を取り返さないといけないのです。すなわち、根本的にこの構造を変える必要があるのです。そこで、お金の健康診断では、課題となっている集客やマーケティングをこれまでよりも安価にできる場所を目指していこうと考えているのです」

 こういった産業構造は保険の加入を検討している者からは見えにくくもある。加入者側も頭の片隅に知っておいて良い知識だろう。

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金融行動に対する基本的な考え方
(出典:お金の健康診断サービス提供資料)


変わりつつある保険選定のプロセス

 山田氏と加々美氏は、Webサービスからの集客に加えて、リアルの場における接点についても重要度が高いと考えているという。そもそもライフイベントの見直しが起こりやすい所で顧客と接点を持つことが、保険加入の入口になっていくという。

 hokan 尾花氏の「人を集めてくるところについてどのように考えているか」という質問に対してはそれぞれ以下のように答えた。

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hokan 尾花政篤氏
「銀行が持っている店舗やATMなどの資産を活用して、いかにリアルチャネルに来ているお客さまにネットへ橋渡ししていくのかを今後、もっと工夫していきたいです。」(山田氏)

「リアルの場所が大事、この点は同意見です。保険相談のリアル店舗で、お金の健康診断を設置するということも実験的に実施しています。ライフイベントが起こっていて、生活の見直しについて意識が高まっているであろう結婚式場や塾なども親和性が高い場所と考えています」(加々美氏)

「自身の合理的な思考だけを頼りに、保険や投資の決断ができる人は、まだ少数派だと思っています。知識と、自分に自信を持っていることの両方が必要だと感じています。また常々人にとって最高のインターフェースは人だと考えています」(加々美氏)

 やはり人生経験が豊富で、保険の知識がありながら、自分のプロファイルと近い属性の人にアドバイスをもらったほうが納得しやすいと加々美氏。そのため、保険や投資判断は、重要にも関わらず経験したことのない意思決定であるからこそ、どこかのタイミングで人の介在が必要だという。

「銀行でもフィンテックの台頭が謳われていますが、金融もテクノロジーも何かを実現するための方法であり、手段です。保険の場合も、どのような子育てをしたいのか、もし入院してしまったらどのような生活にしたいのか、というような本来的な人の生き方を理解するのが重要です。でも、いきなり人に相談するのは難しいですよね。そんなときinsurtechが役に立ちます。」(山田氏)

 保険選びは、経験したことがない人にとって、ブラックボックスだ。検討度合が低い段階でいきなりFPに会わなければいけないとなると、心理的なハードルが高い。

 そこで、アプリで事前に自分の資金・財務状況の位置づけが分かれば何を聞くべきかなどがある程度可視化されたり、心理的なハードルが下がったりするだろう。

 自分や家族の人生に関わる保険だが、なかなか合理性を持って選ぶことができる人は少ないのではないだろうか。そんな時に、こうしたインシュアテックのサービスやアプリは「正しい保険選び」を後押ししてくれるのかもしれない。
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