- 2026/02/20 掲載
【衝撃】預金ではもう稼げない?MUFG・SMBC・PayPay・楽天が挑む「データ戦争」の標的
預金競争の終焉、銀行ビジネスはどこへ向かう
日本銀行の政策修正で金利は動き始めたが、国内銀行の収益構造が一変したわけではない。預貸利ざやは金利水準だけで決まらず、住宅ローンの激しい競争や各種手数料の引き下げが収益を圧迫する。そこで重視され始めたのが、預金残高そのものではなく、顧客との接点の量と質だ。スマートフォンのアプリはその象徴といえる。Google Playの表示によれば、楽天銀行アプリと三菱UFJ銀行アプリはいずれもダウンロード数が500万以上、PayPay銀行アプリと住信SBIネット銀行アプリは100万以上となっている。ダウンロード数は利用者数と同義ではないが、銀行が支店よりもアプリを主要な接点として位置付けている現状を映す。
接点が増えれば、銀行は残高や入出金に加え、ログイン頻度や利用機能といった行動も把握できる。
楽天は楽天市場での買い物に応じてポイント進呈率が上がる仕組みを設け、グループ内サービスの利用を促す。購買と金融を同じIDで結び付けることで、データの幅が広がる。通知や本人確認、カードレスATMなど、従来は窓口やATMで担っていた機能がアプリに集約されるほど、蓄積される情報は増えていく。
楽天は購買、PayPayは決済、握るデータで決まる主導権
楽天銀行とPayPay銀行の違いは、どの行動データを基点に顧客を把握するかにある。楽天は電子商取引の購買履歴を握る。対象サービスの利用状況に応じて楽天市場でのポイント進呈率が上がる仕組みを通じ、金融を含むグループ利用を後押しする。口座保有が買い物と結び付きやすく、購買履歴と金融取引を一体で分析しやすい構造だ。PayPayは決済の頻度を強みにする。登録ユーザー数が7000万人を超えたと2025年7月に公表している。少額でも回数の多い決済データは生活の実態を映す。PayPay銀行アプリは振込や残高照会に加え、カードレスATMなどアプリ完結型の機能を打ち出す。2025年4月にはPayPayがPayPay銀行の株式取得を完了し、子会社化したと発表した。決済と銀行を同一グループで運営する体制を明確にした。さらに2026年1月にはグループ間の情報連携の取り扱いに関する発表を行っている。
住信SBIネット銀行はSBI証券との連携を軸に成長してきたが、その環境も変わった。NTTドコモが住信SBIネット銀行を買収したことで、通信と金融のデータを組み合わせる可能性が生まれている。同行はSBIハイブリッド預金を掲げ、証券口座との資金移動を自動化できる円預金として説明する。投資行動のデータに加え、今後は通信サービス利用との連携も視野に入る。
三菱UFJフィナンシャル・グループは、三菱UFJ銀行の個人向けアプリを軸に機能拡充を進めてきた。残高照会や振込といった基本機能に加え、投資信託や外貨預金などの資産運用メニューをアプリ上で利用できるようにし、日常の決済口座と資産形成を一体で管理できる設計にしている。銀行単体の取引にとどめず、グループ内サービスへの導線をアプリ内に組み込むことで、顧客接点を広げようとしている。
三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)は個人向け総合金融サービスとしてOliveを展開する。銀行口座、クレジットカード決済、証券などを1つのアプリで管理できる設計とし、グループ内データの統合を図る。決済、預金、投資の情報を横断的に把握することで、顧客接点を一本化する狙いだ。どのデータを起点にするかで、見える顧客像は変わる。 【次ページ】あなたのデータはどう使われる?金融×非金融連携の現実
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