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  • 2019/12/16

【独占】ヤフーと組んだのは対楽天、SBI北尾社長に聞くアライアンス戦略とデジタル通貨の未来

FinTech Journal創刊記念インタビュー

第4のメガバンク構想に加えて、ヤフーを傘下に抱えるZホールディングスとの業務提携、一般社団法人 日本STO協会の立ち上げなど、多様な企業との連携を模索するSBIグループ。その真意は一体どこにあるのか。またデジタル通貨の黎明期から携わっていたSBIホールディングス 代表取締役社長 北尾吉孝氏はフェイスブックのリブラのとん挫や仮想通貨の未来をどう見ているのか。SBI 北尾氏への独占インタビューの後編をお届けする。

聞き手:編集部 松尾慎司・山田竜司、構成:吉田育代

聞き手:編集部 松尾慎司・山田竜司、構成:吉田育代

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SBIホールディングス 代表取締役社長 北尾吉孝氏

楽天に対してより確実に、大きく勝つためにアライアンスを組む

 10月にヤフーを傘下に抱えるZホールディングスとの業務提携を発表しました。証券、FX、銀行の各分野でお互いシナジーを追求することで、顧客にとってより使いやすい金融サービスを提供するとともに両グループの事業の成長・拡大を目指します。

 巷にはさまざまな憶測もあるようですが、その多くは正しくありません。ただ、背景には楽天の存在があります。もともとECを主たる事業とする楽天ですが、昨今は金融分野でも大きな利益を上げて、今度は(ソフトバンクの本業である)通信分野にも参入しました。ヤフーはEC事業にも力を入れており、楽天の祖業と競合しています。

 我々、SBIグループは楽天と金融分野で戦ってきて、一度も負けたものはないと自負しています。今後も負けない自信はありますが、より確実に、大きく勝つことを考えています。

 住信SBIネット銀行がフィンテックサービスを提供するJALマイレージカード会員向けカードの「JAL Global WALLET」もそうですし、旭化成ホームズフィナンシャル、リクルート ゼクシィなび、光通信グループなど、アライアンス企業は今も加速度的に増えています。Zホールディングスとの提携もそういうアライアンスの一環と言えます。

 もちろん孫さんと親しいのは事実で、昔からよく知っているという意味では、特別な関係であることは間違いありません。そうして折りにふれて話している中で、まさに卵の殻をひなが下から破る、親が上からつつくという状況になった。これを「啐啄同機(さいたくどうき)」といいます。

 ただ今回、資本提携は望みませんでした。ヤフーは私がソフトバンク時代に投資した頃とはまったく違う存在になっていますし、我々も変わりました。しかも、両社とも上場企業なので、どういう形でこの提携を深くしていくのかは慎重に考える必要があります。

大手証券会社が集う日本STO協会を立ち上げ

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 一方、より大きな視点で、一般社団法人 日本STO協会というものを立ち上げました。STOとは、Security Token Offeringの略称で、電子的手段を用いた資金調達手法のこと。団体はSTOの健全な発展を図るために設立した自主規制団体です。

 金融商品取引法の下で決められた制度、枠組みをつくり、合法的かつ多くの投資家に魅力のあるもの、安全なものとしてSTOを育てていくためには、主要な証券会社が集まって決めていくことが重要だと考えました。

 SBIグループのSBI証券はもちろん、野村證券、大和証券、楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券などが賛同してくれて設立時点から参画してくれています。

 まだ入りたいというところはあり、引き続き数は増やしていくつもりですが、一連の活動にはお金がかかります。その活動費をきちんと払える体力のある証券会社にはぜひ参加してほしいと考えています。

中国のデジタル通貨にどう対応するのか

 僕はまた、デジタル通貨の信奉者です。今回、フェイスブックのリブラが発行延期ということになって気運がしぼんでしまったように見えますが、これはしばらく静観の構えになったというだけのこと。

 おそらくこれからは中国がデジタル通貨を出して、それを基軸通貨にしたいと考えているはずです。現在の中国が発行している元(げん)には抵抗あるかもしれませんが、デジタル通貨、クリプトカレンシーになってくるとちょっと話が違ってくるはずです。

 デジタル通貨であれば、貿易金融などはスピーディーになりますし、ブロックチェーンを使えば安全性は確保できます。アフリカでも、東南アジアでも、中国寄りのところはどんどん使うでしょう。

 中国がデジタル通貨を出してきた場合、世界はどう対応するのでしょうか。今やデジタル通貨の研究は世界各国の中央銀行や金融機関で進められています。

 リブラが今後再起して受け入れられるかどうかは別にして、デジタル通貨というものが非常に大きな役割を占めていくのは間違いないでしょう。

 デジタル通貨は金融政策をぶち壊してしまうとか、国家の主体性がなくなるといった意見もありますが、本当にそうなのでしょうか。では、そもそも今の金融政策は適切と言えるのでしょうか。日本はじめ先進国は恐ろしいほどの財政赤字を抱えながらも金融緩和策を取り続けています。

 SBIグループとして推しているのはXRP(リップル)です。当初から我々は、ビットコインはトゥー・ビッグだと言ってきました。マーケットのギャップが大きいし、大きすぎて値段が高くなりすぎ、決済通貨としては妥当と言えません。0.00001ビットコインで買い物するとか、ややこしくて仕方ないですよね(笑)。

 ではどういう価値があるのかといえば、置いておくだけ、持っているだけといったことになっています。そして、何が本当によいのかと考えてXRPにたどり着きました。XRPは最初の生い立ちから金融機関フレンドリーで出発し、半減期がありません。デジタル通貨は基本的に金融機関が数多く保有するので、金融機関フレンドリーなものでないといけません。金融機関がそっぽ向くようなものはグローバルスタンダードにならないと考えています。

【次ページ】量子コンピューターはブロックチェーンを崩壊に導くのか?

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