• 2026/03/25 掲載

NEC、AIが映像から「暗黙知」を可視化、危険の予兆検知と改善案

独自のVLMとLLMを組み合わせ、労働力不足や技術継承の課題を解決

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日本電気(NEC)は2026年3月19日、現場の熟練者が持つ「暗黙知」をAIで可視化し、映像から明文化されていない危険の予兆を検知して改善アドバイスを自動生成する技術を世界で初めて開発したと発表した。独自の映像認識AIと大規模言語モデル(LLM)を組み合わせ、労働力不足や技術継承の課題を抱える産業現場の安全性と作業効率の向上を図る。
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(画像:ビジネス+IT)
 物流、製造、建設などの産業現場では、労働力不足や熟練者の高齢化に伴う技術承継の断絶が深刻な課題となっている。これまで現場の安全性と作業効率を両立させてきたのは、長年の経験に基づく熟練者の勘やコツといった、マニュアルには記載されない暗黙知であった。従来の映像解析AIは、特定の禁止動作や事故の発生そのものを検知することには長けていたものの、事故を未然に防ぐための微細な状況変化や明文化されていない予兆を捉えることは技術的に困難とされていた。
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【図版付き記事はこちら】NECが現場の「暗黙知」をAIで可視化するソリューション(画像:ビジネス+IT)

 NECが新たに開発した技術は、映像認識AIとLLMを高度に融合させることでこの課題に対応する。カメラが捉えた映像データから作業者の行動や周囲の環境変化を細かく分析し、これまで熟練指導員が目視で行っていた高度な状況判断をAIが代替する。これにより、明文化されていない危険の予兆を事前の段階で把握し、作業者に対する具体的な改善アドバイスを自動で生成する。現場の安全管理を従来の事後的な状況分析から、能動的な予兆検知と即時的な教育指導へと転換させる仕組みである。

 同社は本技術の基盤として、映像内から特定のオブジェクトやその関係性を抽出してシーンを解釈するフレームワークや、長時間の映像から効率的に重要なフレームを抽出する新たなサンプリング手法を開発した。これらの要素技術に関する研究成果は、AIおよびコンピュータビジョンに関する主要な国際学会であるAAAI 2026(The 40th Annual AAAI Conference on Artificial Intelligence)やWACV 2026において論文として発表され、学術的にも評価を受けている。

 本システムは、現場の既存のカメラ映像を活用し、事前の膨大な学習データや複雑な設定作業なしに現場全体の可視化を実現する。NECは本技術を早期に実用化し、作業効率の向上や人的リソースの最適配分を支援するとともに、失われつつある熟練者の知見をデジタル技術によって組織的に継承する取り組みを加速させる。

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