- 2026/05/09 掲載
ソニーとTSMC、次世代画像センサーの開発・製造で戦略的提携
自動運転やロボット向けのフィジカルAIの合弁会社を設立
提携の主対象は、現実世界の情報をリアルタイムで処理する「フィジカルAI」の技術領域である。自動運転車や産業用ロボット、スマートシティのインフラなど、瞬時の画像認識と判断が求められる機器向けの高性能センサーを開発する。ソニーが持つイメージセンサーの設計技術と、TSMCが強みとする3ナノメートル世代の最先端ロジック半導体の製造技術を組み合わせ、センサー内部でAIのデータ処理を完結させる仕組みを構築する。
最新の画像センサーは、光を取り込む画素層と、データ処理を担うロジック層を重ね合わせた積層構造を採用している。センサーの頭脳にあたるロジック層の製造にTSMCの微細化技術を用い、処理速度の向上と消費電力の削減を両立させる。外部のネットワーク網にデータを送信することなく、センサー単体でAI処理を実行するエッジAIの技術基盤を整える。
ソニーはこれまでセンサーの製造を自社で完結させる体制を敷いてきたが、最先端のロジック半導体工場の建設や維持にかかる設備投資負担を軽減するため、外部企業と協業する体制へ転換した。製造工程の一部をTSMCと分担し、自社はセンサー技術やアルゴリズムの研究開発に資源を集中させる。一方のTSMCは、ソニーを長期的な大口顧客として確保し、画像センサー市場における製造シェアを拡大する。
日本政府もこの枠組みを支援する。経済産業省は2026年4月17日、ソニーが熊本県内に建設する画像センサー新工場に対し、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資の供給確保計画として最大600億円の助成金を支給すると発表した。総投資額は約1800億円に上る。2029年5月の供給開始を目指し、スマートフォンや自動車向けのセンサーを月産1万枚製造する計画であり、日本国内の半導体サプライチェーン強化の拠点として機能させる。
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