• 2026/08/27 15:55 掲載

エヌビディアAI半導体、対中密輸疑惑──米当局がAPEX調査

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米政府は、中国創業でスイス物流大手キューネ・アンド・ナーゲル傘下の物流会社APEXロジスティクスについて、米エヌビディア製AI半導体を搭載したサーバの中国向け輸送を巡り、輸出規制に違反した可能性を調べている。米ブルームバーグが8月27日(米国現地時間)、関係者の話として報じた。米国は2022年以降、中国への先端AI半導体の輸出管理を強化しており、物流会社を含むサプライチェーン全体の管理が改めて焦点となる。
 米商務省産業安全保障局(BIS)が調査を主導し、2024年にAPEXが取り扱った47件の貨物を調べているという。対象には米スーパー・マイクロ・コンピューター製のAIシステムが含まれるとされ、台湾から米国、東南アジア、香港を経て中国本土へ運ばれた可能性が調べられている。

 米国は2022年10月、中国向けの特定の先端・高性能コンピューティング半導体や、それらを搭載したコンピューターについて新たな輸出規制を導入した。その後、2023年には規制対象となる半導体の基準を見直すとともに、第三国の企業や拠点を利用した規制回避への対策も強化している。

画像
【図版付き記事はこちら】
米当局は規制回避への対策を強化する
(画像:本文をもとに生成AIで作成)

 ただ、中国向けのエヌビディア製AI半導体が現在、すべて輸出禁止になっているわけではない。BISは2026年1月、エヌビディアのH200や米AMDのMI325Xなどについて、一定の安全保障上の条件を満たせば、中国向け輸出許可を案件ごとに審査する方針へ変更した。エヌビディアも同年2月、特定の中国顧客へ少量のH200を出荷できる許可を米政府から得たとしている。

 もっとも、米司法当局はAI半導体の迂回輸出への摘発を続けている。米司法省は2025年11月、マレーシアやタイを経由してエヌビディア製GPUを中国へ違法輸出したとして4人を起訴した。400基のA100が中国へ輸出されたほか、H100を搭載したスーパーコンピューター10台やH200計50基の輸出も試みられたとしている。

 さらに米司法省は2026年3月、米国で組み立てられたAIサーバを東南アジアの企業を経由して中国へ転送した疑いで3人を起訴した。起訴内容では、物流会社を使ってサーバを無地の箱に詰め替えるなど、最終仕向地を隠す手法が使われたとされる。

 スーパーマイクロは8月20日、この3人の起訴を受けて実施した独立調査の結果を公表した。同社は被告とはなっておらず、不正行為を問われてもいない。調査では、現経営陣が疑われている迂回輸出を認識していたことを示す証拠や、規制対象の顧客・地域へ同社が直接販売したことを示す事実は確認されなかったとしている。

 今回のAPEXに対する調査についても、現時点で違法行為が認定されたわけではない。焦点となるのは、複数国をまたぐAI半導体の流通で、物流会社にどこまで輸出管理上の確認や対応が求められるかだ。

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