- 2026/08/27 15:55 掲載
エヌビディアAI半導体、対中密輸疑惑──米当局がAPEX調査
米国は2022年10月、中国向けの特定の先端・高性能コンピューティング半導体や、それらを搭載したコンピューターについて新たな輸出規制を導入した。その後、2023年には規制対象となる半導体の基準を見直すとともに、第三国の企業や拠点を利用した規制回避への対策も強化している。
ただ、中国向けのエヌビディア製AI半導体が現在、すべて輸出禁止になっているわけではない。BISは2026年1月、エヌビディアのH200や米AMDのMI325Xなどについて、一定の安全保障上の条件を満たせば、中国向け輸出許可を案件ごとに審査する方針へ変更した。エヌビディアも同年2月、特定の中国顧客へ少量のH200を出荷できる許可を米政府から得たとしている。
もっとも、米司法当局はAI半導体の迂回輸出への摘発を続けている。米司法省は2025年11月、マレーシアやタイを経由してエヌビディア製GPUを中国へ違法輸出したとして4人を起訴した。400基のA100が中国へ輸出されたほか、H100を搭載したスーパーコンピューター10台やH200計50基の輸出も試みられたとしている。
さらに米司法省は2026年3月、米国で組み立てられたAIサーバを東南アジアの企業を経由して中国へ転送した疑いで3人を起訴した。起訴内容では、物流会社を使ってサーバを無地の箱に詰め替えるなど、最終仕向地を隠す手法が使われたとされる。
スーパーマイクロは8月20日、この3人の起訴を受けて実施した独立調査の結果を公表した。同社は被告とはなっておらず、不正行為を問われてもいない。調査では、現経営陣が疑われている迂回輸出を認識していたことを示す証拠や、規制対象の顧客・地域へ同社が直接販売したことを示す事実は確認されなかったとしている。
今回のAPEXに対する調査についても、現時点で違法行為が認定されたわけではない。焦点となるのは、複数国をまたぐAI半導体の流通で、物流会社にどこまで輸出管理上の確認や対応が求められるかだ。
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