- 2026/09/22 06:50 掲載
【図解】JX金属・信越化学・味の素ら…日本勢が強すぎる「半導体の材料」の秘密
地方国立大学大学院修了後、半導体関連企業に入社。働きながら半導体業界に関する情報をブログ、YouTubeで発信中。運営するYouTube「半導体業界ドットコムch」はチャンネル登録者2万人を超える。著書に『今と未来がわかる半導体(ナツメ社)』、『パワー半導体超入門(技術評論社)』、『一冊でつかむ 世界を動かす半導体( 河出書房新社)』がある。
シリコンウエハとは何か、不純物は「1/1000億」…?
シリコンウエハは、すべての回路が描き込まれる土台となるもので、現在の半導体に不可欠な基幹材料です。材料としてのシリコン(ケイ素)は、地球上で酸素に次いで豊富に存在しており、自然界では主に珪石(けいせき)と呼ばれる二酸化ケイ素を主成分とする岩石の状態で存在しています。この珪石を原料に、還元・精製を繰り返すことで、半導体グレードと呼ばれる超高純度な多結晶シリコンが作られます。ここで言う超高純度とは、イレブンナイン(99.999999999%)という、1000億個の原子の中に不純物が1個あるかないかという極限の状態を指します。この多結晶シリコンを高温のるつぼで溶かし、回転させながら巨大な単結晶インゴットを引き上げる手法がCZ法(チョクラルスキー法)です。このインゴットを薄くスライスし、精密な研削・研磨を施すことで、鏡面のようなシリコンウエハが完成します。
信越化学・SUMCO、日本の2社で「世界シェア約半分」
現在の主流は直径300mm(12インチ)のウエハです。微細化が進む最先端プロセスにおいては、単なる純度だけでなく、表面の平坦度を原子数個分のレベルで管理する技術や、結晶内部の微細な欠陥を排除する高度な結晶成長制御が求められます。この市場は、日本の信越化学工業とSUMCOの2社で世界シェアの約半分を占めています。さらに台湾のグローバル・ウェーハズ(GlobalWafers)、ドイツのシルトロニック(Siltronic)、韓国のSKシルトロンを加えた上位5社によって市場はほぼ寡占されています。
信越化学工業の強みは、金属シリコンからの一貫生産による高品質なウエハの安定供給体制です。ウエハは一度採用されるとメーカー変更が難しく、数年単位の長期契約が通例であるため、激しい市場サイクルの波の中でも高い収益性を維持しています。一方、住友・三菱系をルーツに持つSUMCOは専業メーカーとしての専門性を誇ります。また、GlobalWafersは積極的な企業買収によって急成長し、旧東芝セラミックスのウエハ事業を傘下に収めたことで、日本国内にも重要な製造拠点と技術を保持しています。
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