- 2026/09/14 10:00 掲載
富士通が世界トップレベルのAI推論性能の次世代CPU「FUJITSU-MONAKA」発売
国内のAIデータやインフラを管理するソブリンAIの基盤
ベクトル演算や人工知能の推論処理の中核となる行列演算をハードウェアで直接処理し、ソフトウェアの最適化と組み合わせることで、外部の画像処理半導体などに依存せずにCPU単体で実用的な推論性能を発揮する。実行中のデータやアプリケーションをメモリ上で暗号化して保護する機能も備えており、複数の利用者が共有するクラウド環境でもデータの機密性を保つことができる。
このプロセッサを搭載するFujitsu MONAKA Serverは、経済安全保障の観点から自国でデータやインフラを管理するソブリンAIの基盤として位置付けられている。設計から組み立てまでを日本国内の笠島工場で一貫して行い、部品の出所や製造履歴を追跡可能にすることでサプライチェーンの透明性と信頼性を確保した。サーバーの筐体は1Uサイズおよび2Uサイズのラックマウント型が用意され、特別な水冷設備を持たないデータセンターでも周囲温度40度までの空冷環境で稼働する。これにより冷却に必要な消費電力を抑え、運用コストの削減に寄与する。
同社は2026年度下期から金融、通信、製造分野の一部顧客企業に対してサーバー機の先行提供を開始し、実運用に向けた検証を進める。その後2027年4月以降に一般市場に向けた出荷を本格化させる。並行してCPU単体の供給網を米国やアジア太平洋地域を含む世界全体へ拡大していくとしている。人工知能の急速な普及に伴う演算資源の不足と消費電力の増大、さらには地政学的リスクの高まりを背景に、富士通は国内外の企業と連携を深めながら市場への浸透を図る。なお本プロセッサの開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成事業の一環として進められている。
半導体のおすすめコンテンツ
PR
PR
PR