- 2026/11/07 06:50 掲載
【電子部品5社比較】村田・太陽誘電は“爆伸び”も…AI特需で明暗を分けた「3つの差」(2/2)
明暗を分けた「3つの差」
2つ目の差は、スマホとPCへの依存度だ。日東電工は、ハイエンドのノートPCやタブレット向けの光学フィルムについて、メモリ半導体の価格高騰による顧客の生産調整で、需要が大幅に減少したという。情報機能材料の売上高は2,001億円から1,737億円に減った。
村田製作所も、2026年度のPCの台数がメモリ半導体の供給制約を受けて前年比0.5億台減ると見込む。スマホ向けの樹脂多層基板や高周波モジュールも減収となり、デバイス・モジュールセグメントのうち、高周波・通信製品の売上収益は2.1%減少した。
TDKはスマホの生産台数予測を前年比15%減へ下方修正した。一方、ノートPCは同10%減と、前回予測から引き上げている。メモリの供給制約が、スマホやPCの生産を絞る構図である。
3つ目の差は、一時的な損失だ。京セラは電子部品セグメントの事業利益が前年同期の1,700万円から196億円に急回復した。一方で、GaN(窒化ガリウム)デバイス関連で約295億円の減損損失を計上している。本業の回復が減損で相殺され、通期の営業利益予想を引き上げられなかった形だ。
つまり、データセンター向けが厚く、スマホ・PC向けの比重が軽い会社ほど、AI特需の果実を大きく受け取っている。
下期の勝ち筋は? 次の決算で見るべき「2つのポイント」
この流れは電子部品にとどまらない。11月5日に発表した、ロームも、上期の営業利益が175億円(同128.5%増)となった。生成AIの普及に伴うデータセンター関連投資の拡大を背景に、サーバやストレージ向けの需要が堅調に続いたと説明している。通期予想も、売上高を5,100億円から5,500億円に、営業利益を300億円から500億円に引き上げた。
では、次の決算で何を見るべきか。1つ目は、データセンター向けの売上比率がどこまで高まるかだ。村田製作所の15.1%がさらに上がれば、スマホ依存からの脱却が数字で裏付けられる。2つ目は、スマホとPCの生産が回復するかどうかである。メモリの供給制約が続けば、日東電工の光学フィルムや村田製作所の高周波モジュールには重荷が残る。逆に制約が和らげば、据え置いた2社に上振れの余地が生まれる。
AIの追い風がスマホ・PCの逆風をどこまで上回るのか。年明けの決算で、5社の序列が改めて問われることになる。
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