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  • 2024/09/02 掲載

JR東日本とJR西日本が使いこなす「金融機能」、BaaSとデジタル証券を占う事例とは?

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ここ2~3年、BaaS(Banking as a Service)の利用例の報道が増えてきたように、事業会社がサービスに金融機能を組み込んで利用する流れが加速している。前回紹介したJREバンクだけでなく、デジタル証券を使ったJR西日本や丸井グループなどでもこうした動きがみられる。企業が「金融機能を戦略的に活用すること」でどのようなメリットが生まれるのか? 本稿で最新の活用例を解説する。
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事業会社から見た金融機能まとめ
(Photo/Shutterstock.com)

事業会社と銀行機能の連携、JREバンク事例の分析

 前回は、デジタルバンクについて解説した。その中でJR東日本が展開するJREバンクについても触れたが、主語を一般事業会社とした場合、実は現状、利用可能な金融機能の選択肢が増えている。

 BaaS(Banking as a Service)の利用例が増加しているが、他にもセキュリティートークン(後述)を事業会社が活用する事例も出てきているのだ。

 そもそも、事業会社が何らかの金融機能を何らかの形で連携してきた歴史は長い。

 古くは小売業における割賦販売やクレジットカード機能の提供などのいわゆる販売金融というカテゴリーがあるし、オフィス機器製造事業者系列の法人向けリース、企業グループとしての資金調達を担うファイナンス会社などさまざまな形態がある。本稿ではBaaSの利用を中心に議論することから、主にここ数年の事例を中心に議論を進める。

 事例分析として前回も紹介したJREバンクを取り上げる。JREバンクはJR東日本が2024年5月から開始したデジタルバンクサービスで、楽天銀行のBaaSを活用して展開している。

 JREバンクは消費者にとって魅力的な鉄道会社ならではのリワードを付与することで、サービスの立ち上げ当初申し込みが殺到する事態になったと報道されている。

画像
JRE BANK
(出典:東日本旅客鉄道 報道発表)

 特に注目されているリワードとしてはJR東日本営業路線内の運賃が4割引となる優待割引券であり、新幹線の利用も対象になることから反響を呼んでいる。

 利用者側のメリットとして非常に分かりやすいが、企業側(JR東日本)の立場でのメリットは何だろうか? まずはこの点を3つに分けて解説しよう。 【次ページ】JR東日本が「運賃4割引」でもJREバンクを推す3つの理由

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