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オンライン決済による現金離れや、オンラインバンクの普及が進んだ現代、銀行の支店閉鎖が相次いでいる。こうした中、三井住友銀行や高知銀行などの各行は、カフェやコワーキングスペースを併設させた支店に再生させる試みが進められている。これらの取り組みは実は米国が発祥地とされているが、米金融大手のJPモルガンチェースでは、2024年4月にお披露目した新支店で少し異なるアプローチも採用した。日米で見られるこれらの動きには、どんな狙いがあるのか。
大手も地銀も進める「銀行カフェ」
日本では、銀行であるにもかかわらず現金を扱う窓口のない新タイプ店舗が続々とオープンして
話題になっている。
三井住友銀行は5月に、スターバックスコーヒーとシェアラウンジを併設した店舗「オリーブラウンジ渋谷」をオープン。従来の渋谷支店を大幅に改装し、銀行窓口は1階の隅へ退く一方、同フロアの大半を共用エリアにする思い切ったリニューアルだ。2階はシェアラウンジに生まれ変わった。
10月7日にオープン予定の東京・下高井戸の2号店(冒頭の写真)でも、1階にスターバックスが出店し、そのすぐ奥にATMコーナーが設けられている。2階には、カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する「SHARE LOUNGE」と呼ばれるコワーキングスペースが銀行窓口に併設されている。これらに加え同行は、大阪にもオリーブラウンジを開設するという報道もある。
従来型の銀行支店の使命であった「預金獲得」「中小企業向け相談」路線を縮小させ、実店舗とアプリ、コールセンターの3つのオムニチャネルで資産運用や富裕層サービスに重点を移す動きは、過去10年間に各行で進められてきた。三井住友のオリーブラウンジはその1つの完成形と言えるだろう。
りそな銀行は2015年にすでに、東京・上野でタリーズコーヒーを併設したコラボレーション拠点「Cafe & Bank」をオープンしているし、高知銀行も同じくタリーズコーヒーを併設した「Cafe de Banque(カフェでバンク)」をイベントやセミナーの開催場所として提供している。
山口県周南市に本店がある西京銀行は、山口市の小郡支店で、カフェのような空間を提供し、客が行員と隣り合って座る商談スタイルを導入した。
ではなぜ「銀行カフェ」なのか。
【次ページ】なぜ「銀行カフェ」を相次いで開店させるのか?
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