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- 2024/11/29 掲載
世界最大級のフィンテックイベントはなぜ盛り上がる? 国家を巻き込んだ「仕掛け」を解説
FINOLABコラム
「世界最大級のフィンテックイベント」はどんな内容か?
2024年11月6~8日、国際展示場(EXPO Convention Centre)の全ホールを使って開催されたシンガポールフィンテックフェスティバル(Singapore FinTech Festival:SFF)は、昨年(2023年)と同規模の約6万5000人が130以上の国や地域から参加、活発な議論が展開された。この2024年は、日本からの参加者も増えており、10社を超えるスタートアップのブース参加とともに、東京・大阪・福岡・札幌といった自治体も、金融都市としてのそれぞれの魅力にアピールする機会となった。6~8日の本イベントに先立ち、招待者限定のInsights Forumという当局関係者や金融専門家が議論するための場を提供する事前イベントが4~5日には開催されたほか、各種のサイドイベントが開催され、毎夜の各種レセプションなど11月4日の週は、シンガポールはフィンテックフェスティバルで埋め尽くされた感があった。
この2024年のテーマは以下の通りであるが、2023年から継続した内容が多く、量子技術だけが新たに追加となっていたが、展示や発表などの具体的な情報発信はみられなかった。
Roadmap for AI & Quantum(AIと量子技術のロードマップ)メインイベントが行われたEXPOでは、6つあるすべてのホールが以下のような割り振りで利用された。
Blueprint for Digital Assets(デジタル資産の青写真)
Next-gen Transaction(次世代の金融取引)
Sustainability in Action(サステナビリティの実践)
Bridging the Financial Gap(金融格差の解消)
- メインステージ:キーノートスピーカーが登壇(主な登壇者)
- グローバル金融機関および大手IT企業の展示ブースが中心
- IT企業のブースが中心
- FinTechスタートアップのブースが中心
- ESG、RegTechの展示ブースと各国パビリオン
- ミートアップ会場 (今回初であったが、事前に参加者との面談を設定するプログラムが導入され、広い会場に多数のテーブルが用意されて個別のミーティングが行われた)
さらに、金融機関、IT企業、フィンテックスタートアップなどによる展示ブースの他に、5つのテーマステージが設けられ、個別テーマに特化した講演やパネルも展開された。
- Future Matters(Hall 2)
さまざまな社会変化により、未来の金融サービスがどのようなものになるのか議論の場- Technology (Hall 3)
生成AIやブロックチェーンといった最新技術の金融分野への応用に関するセッション- Founders(Hall 4)
起業家の経験談を語ってもらう「Founders Peak」を展開- Talent (Hall 4)
フィンテック人材育成や金融機関の人材再教育などに関する発表やワークショップなどの他、金融領域の将来のキャリアに関するセミナーを開催- ESG(Hall 5)
ESG関連の講演や金融機関のサステナビリティへの取り組みについて発表- Regulation(Hall 5)
規制当局担当者による講演やパネルに加え、規制対応の「RegTech」ソリューションの発表
日本からは多数の参加があり、ブース出展した企業・団体としては、金融機関(三井住友銀行、ソニー銀行)、自治体・公的機関・団体(金融庁、JETRO、東京、大阪、福岡、札幌、フィンテック協会)、IT企業(NEC、SCSK)、スタートアップ(400F、Authlete、Bee Informatica、Capy、Caulis、Chizaizukan、クレジットエンジン、Josys、SORAMITSU、Sustainable Lab、Talendy)などがあり、各自治体と金融庁、フィンテック協会でジャパンパビリオンを出展し、多くの来訪者を集めた。また、開催前日の5日には日本大使公邸で歓迎会が開催され、関係者が多数参加した。
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