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  • 2023/06/22 掲載

2027年には「電力ゼロ円」、電気代急騰に苦しむ日本人の知らない「米国再エネ」最新事情

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再エネの波は思いがけない速さで訪れている。米国では、テキサス州が風力発電の発電量で全米最大となり、カリフォルニア州では春から秋にかけては再エネによる電力供給が100%を記録することも多くなった。再エネのコストも下がっており、現在米国で最も安い電力は風力となっている。電気料金が大幅に低下する米国でいま何が起きているのか。そこには電気代が高騰する日本とはまったく異なる実態があった。
執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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電力ゼロ円時代到来、エネルギー会社がぶつかる課題とは
(Photo/Shutterstock.com)

2027年には再エネの発電原価はゼロ円に

 米調査会社ラザードによると、2027年には再エネ(太陽光、風力)のLCOE(均等化発電原価)がゼロに近づくという。実際米国の電気料金をソース別に見ると、現時点での1kWhあたりの平均コストは最も安い風力が4セントを切り、太陽光も4セント台半ば。安いとされてきた天然ガスの5セント台半ばを下回る。

 最も高いのは、ガスを使うピーカー発電(電力不足時に一時的に稼働される火力発電)だ。ただし、このピーカー発電は現在カリフォルニア州を中心に再エネの蓄電施設に置き換えられつつある。こちらは電池を使うために価格は1ドルを上回るが、それでもピーカー発電よりは安価である。

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ラザードによるLCOEの比較。上段は再エネ(上から太陽光発電(実用規模)、太陽光発電+蓄電(実用規模)、太陽光発電(実用規模・投資税控除)、太陽光発電(実用規模・生産税控除)、太陽光発電+蓄電(実用規模・投資税控除)、風力(陸上)、風力+蓄電(陸上)、風力(陸上・生産税控除)、風力+蓄電(陸上・投資税/生産税控除)。下段は従来型発電技術(上から原子力、石炭、ガスコンバインドサイクル)
(出典:ラザード)


 米国の再エネが安価なのは、現在米政府が推進しているIRA(インフレ抑制法)による補助金によるところも大きい。再エネ事業者に対して税金の一部免除などが行われるため、全体としてのコストが下がる。米政府はIRA法を2032年まで継続する方針を打ち出しているため、再エネの優位さは当分続くことになる。

再エネ優位続く米国、EVユーザーが受ける恩恵

 これによる消費者のメリットを例に挙げると、たとえば独フォルクスワーゲン(VW)が出資する、EV向けチャージステーションを提供するエレクトリファイ・アメリカは、再エネを利用した電力での充電を行う場合、VWやメルセデスなど一部メーカーのEVに対し3年間無償で充電を提供する。

 トヨタもbz4Xの購入者に対し、ゼネラルモーターズ(GM)とともに出資している再エネを使った公共充電スタンド「EVgo」で充電を1年間無償で提供。さらに再エネに対する補助金の大きいカリフォルニア州では、継続的に無償で充電を提供できる可能性が高いという。

 太陽光に関しては米国での金利が上がっているため建設費用などが膨らみ、2023年に入って初めてコストが高くなるという現象が見られた。しかし、建設などの初期投資が終わった時点で、自然のものを資源とする再エネはメンテナンスなどを除く限界コストが大幅に下がることは間違いない。 【次ページ】テスラがリードするVPP、参加すれば家庭の新たな収入源に

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