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  • 2024/03/07 掲載

ロボット技術の「5大トレンド」、2033年に8,500億円超の自律型システム市場の詳細

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近年のロボット技術は、目覚ましい発展を遂げ、製造業や物流業などのさまざまな産業や日常生活を急速に変化させています。その市場規模は2033年には56億8,000万米ドル(約8,529億円)に達すると予測されています。この記事では、米国の市場調査会社BISリサーチ社の市場調査レポート「自律型システムの未来 - 新興技術と機会市場 - 世界および地域別分析:用途別、セクター別、プラットフォーム別、ソフトウェア技術別、国別 - 分析と予測(2023年~2033年)」から、自律型システム市場の未来に変革をもたらすロボット技術の新たなトレンドを紹介します。

編集協力:グローバルインフォメーション

編集協力:グローバルインフォメーション

世界の主要調査会社250社以上とパートナー契約を結び、日本をはじめとする世界各所で市場調査レポートを提供している。パートナーが発行するレポートは複数産業の約10万点におよび、毎月2000点超の新刊が発行されている。レポートの販売のほか、提携先への委託調査の仲介も実施している。
企業URL:https://www.gii.co.jp/

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ロボット技術の進歩は私たちの生活にどのような影響を及ぼすのだろうか

自律型システムの市場規模

生成AIで1分にまとめた動画
 ロボット技術の進歩により、より賢く適応力の高いロボットが開発されたことで、複雑な作業を引き受け、多様な環境に適応できるようになりました。

 以前は組立ラインや科学研究に限定されていましたが、現在では医療、農業、物流、娯楽など、さまざまな分野で活用されるようになっています。

 BISリサーチ社の市場調査レポート「自律型システムの未来」によると、 2022年の自律型システム市場の規模は31億5,000万米ドル(約4,730億円)で、2033年には56億8,000万米ドル(約8,529億円)に達すると予測されています。

 ここでは、自律型システム市場の未来に変革をもたらすロボット技術の新たな5つのトレンドとともに懸念すべき問題や今後の展望について探ります。

製造・倉庫管理における「コボット」の台頭

 コボット(協働ロボット)は、共有ワークスペースで人間と一緒に働くように設計された新しいロボットです。作業員の安全を守るために、独立したエリアや柵を必要とする従来の産業用ロボットとは異なり、コボットは作業員の安全性を損なうことなく、人間と対話することができます。

 そのため、コボットの活用は中小企業の生産プロセスを改善し、生産性を向上させるための費用対効果の高い効率的な方法となります。

 コボットにはさまざまな形やサイズがあり、溶接、機械操作、梱包、パレット積載など、複数の作業を行うことができます。また、コボットはプログラミングやその修正が簡単にできるように設計されているため、頻繁に変更が必要な作業に最適です。

 さらに、コボットは一般的に低価格であるため、プロセスの自動化を検討している中小企業にとって手頃なソリューションとなっています。

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コボットとの協働で低コストでのプロセスの自動化が実現できる
(Photo/Shutterstock.com)

 コボットとナビゲーション・ソフトウェアを提供する大手企業としては、Techman Robot、Universal Robots、Mobile Industrial Robots、KUKA Robotics、FANUC America Corporationなどが挙げられます。これらの企業は、物流や倉庫管理など、さまざまな業界や用途向けに多様なソリューションを提供しています。

 コボット製造における最近の開発は、アクセサリーとソフトウェアを統合することにより、安全性・精度・汎用性を高めることに重点を置いています。たとえば、ABBは2021年に、最大5kgの可搬質量と最長0.7mのリーチを持つ最新モデル「GoFa」を発表しました。

 さらにABBは、ユーザーがコボットをリアルタイムでモニタリングし、最適化することができる「ABB Ability」と呼ばれる新しいソフトウェア・プラットフォームをリリースしました。

Qコマースで需要高まる「自律型配送ロボット」

 自律型配送ロボットは、従来の配送方法に代わるものとして注目を集めています。BISリサーチ社によると、世界のラストマイル配送ロボットの世界市場は、2021年に1,810万米ドル規模に達しました。同市場は2022年から2032年にかけて6.22%のCAGR(年平均成長率)で成長し、2032年には3,620万米ドル規模に達すると予測されています。

 この成長は、ラストマイル配送における配送コストの削減やベンチャー企業の資金調達の増加など、さまざまな要因によるものです。また、商品をできるだけ早く顧客に届けることを重視する新しいトレンドであるQ(クイック)コマースの台頭は、ラストマイル配送に大きな影響を与える可能性があります。

 より迅速で効率的な配送の必要性から、企業は顧客の要望に応えるために自律型ロボットに注目しています。

 ラストマイル配送用の屋外ロボットは、GPS、LiDAR(光検知と測距)、カメラなどの高度なナビゲーション技術を搭載しており、障害物や歩行者を避けて走行することができるため、配送の遅延や未配を減らすことができます。この技術により屋外ロボットは、道路上で注意散漫になったりミスを犯したりする人間のドライバーに代わる、より安全な選択肢となり得ます。

 脚式ロボットは、ラストマイルの配送業務用に開発されている新技術であり、人間や動物のように2本足または4本足で歩くように設計されています。従来の車輪式ロボットでは移動が困難だった階段や坂道、凹凸のある路面など、さまざまなタイプの地形を横断することができます。

 そのため、高層ビルや公園、遠隔地など、これまでアクセスできなかった場所にも配達できるようになります。現在、複数の企業がラストマイルの配送業務用に脚式ロボットを開発中です。

 ここ数年、迅速で便利な配送オプションに対する需要の高まりに応えるため、ドローン、地上ロボット、そのほかの自律型配送システムなど、複数の企業がすでに自律型配送ロボットの利用を開始しています。

 これらの技術を採用している企業としては、Amazon、FedEx、Starship Technologies、Boston Dynamics、Agility Robotics、ANYbotics、Ghost Robotics、Sarcos Roboticsなどが挙げられます。 【次ページ】ヒューマノイドがもたらすのは“恩恵か弊害か”

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