- 2026/04/06 掲載
なぜソニー×ホンダ「夢のEV」は頓挫した?AFEELA開発中止から見えた“致命的な誤算”
「夢のEV」はなぜ消えたのか
ソニーとホンダが折半出資するソニー・ホンダモビリティ(以下、SHM)は3月25日、新型電気自動車(EV)の第1弾モデル「AFEELA 1」と第2弾モデルの開発・発売を中止することを発表した。2023年のCESでAFEELAのブランドを掲げ、2025年のCESでは量産版を披露し、予約受け付けまで始めていたプロジェクトが、納車を前に止まったことになる。
華やかな発表が続いた半面、量産立ち上げの現実は厳しかった。SHMは中止の理由について、ホンダが3月12日に公表した電動化戦略の見直しによって、当初活用を見込んでいた技術や資産が使えなくなり、当初計画のまま市場投入する現実的な道筋がなくなったと説明した。AFEELAの開発・販売が止まったのは、需要がまったくなかったからではない。親会社の前提が崩れ、事業として成り立たなくなったからである。
中止の背景にある「足りなかった性能」
もともとAFEELAは、ソニーのソフトウェアやエンターテインメント資産と、ホンダの量産技術を組み合わせ、既存の自動車会社とは違う価値を打ち出そうとした構想だった。CES 2023で公開された試作車は、移動体験とデジタル体験の融合を前面に押し出し、従来の自動車ショーではなく家電見本市の場で注目を集めた。ゲーム、映像、音響、AI、先進運転支援を束ねた「新しいクルマ」像は、技術企業が描く未来としては分かりやすかった。
だが、注目を集めることと、量産車として継続的に売ることは別である。CESの主役にはなれても、北米の消費者が数万ドルを払って選ぶ理由を、最後まではっきり示せなかったと言えるだろう。
象徴的だったのは、「PlayStationカー」のようにも受け取れる、AFEELAの語られ方である。
確かにAFEELAには、車内体験を重視するソニーらしさはあった。ただ、それが高額EVを買う決め手になるかは別問題だ。一般的に、自動車を買う際に最終的に見られるのは、価格、航続距離、充電網、デザイン、サイズ、残価、納期、アフターサービスまで含めた総合力である。
AFEELA 1はエンタメや表示技術では目を引いた一方、量産車市場で最も厳しく比べられる基本性能で、突出した優位を示し切れなかったと言える。 【次ページ】EVは「もうオワコン」なのか
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