• 2026/04/06 掲載

なぜソニー×ホンダ「夢のEV」は頓挫した?AFEELA開発中止から見えた“致命的な誤算”(2/4)

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EVは「もうオワコン」なのか

 ただ、今回の中止を見て、やはりEVはオワコンと片付けるのは早い。世界市場に目を向ければ、電動化の流れそのものは止まっていない。国際エネルギー機関によると、2024年の世界のEV販売は1700万台を超え、新車販売に占める比率も2割を上回った。

 中国では新車販売のほぼ半分がEVになり、2025年は世界全体で2000万台を超える見通しも示されている。後退したのはEVという概念ではなく、個別企業の採算と商品戦略である。

 市場全体が伸びる局面で撤退を余儀なくされた以上、問われるべきはEVの是非ではない。どこで勝つつもりだったのかという設計そのものだ。

 実際、ホンダもEVを全面的に否定したわけではない。3月12日の発表では、北米で計画していた3車種のEV開発と投入を中止する一方、事業環境の変化を踏まえて電動化戦略を見直すとした。軸足はハイブリッド車の強化に移る。2025年5月の事業説明会でも、2030年に向けて世界販売360万台超を目指し、その中核にハイブリッド車(HEV)220万台を据える方針を掲げていた。

 ホンダが進めたのは電動化からの撤退ではなく、収益を生みやすい領域への資源配分の見直しである。AFEELA中止は、その再配分の影響を強く受けた案件だった。合弁会社の挑戦は、親会社の優先順位の変更に耐えられなかったと言える。

日本勢が「苦戦しがち」な納得理由

 中国勢や米国のテスラと比べると、日本勢の苦しさはさらに際立つ。中国では価格競争力のある車種が大量に供給され、国際エネルギー機関(IEA)は新興国市場で増えたEV販売の多くを中国からの輸入車が占めたと分析している。

 米国では販売シェアこそなお1割程度だが、自動車関連の調査会社Cox Automotiveによれば2025年通年のEV販売は約130万台に迫り、テスラがなお約半分を握る。

 売れているのは、主にモデル3やモデルYのように、消費者にとって分かりやすい商品である。これに対しAFEELAは、ソフトウェアの独自性を掲げながら、価格帯も車型も販路も限られていた。勝ち筋が曖昧なまま、難度の高い市場に入ろうとした。問題はEVではない。日本勢が勝てる土俵を定めないまま、最も競争の激しい土俵に立ったことにある。 【次ページ】AFEELAは「遅すぎて高すぎた」?
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