• 2026/04/06 掲載

なぜソニー×ホンダ「夢のEV」は頓挫した?AFEELA開発中止から見えた“致命的な誤算”(4/4)

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ホンダが取るべき「姿勢」とは

 とはいえ、今回の中止を両社の単純な敗北として片付けるのも正確ではない。ホンダにとっては、採算の見えにくい案件を引きずるより、資源をハイブリッドや収益改善に振り向ける方が合理的だった。

 3月の戦略見直しは、事業環境の変化に合わせて北米向けEV3車種を止める判断でもあった。その後の方針でも、HEVを移行期の中核に据える姿勢ははっきりしている。自動車会社にとって問われるのは、どの技術が正しいかではない。どの順番で投資し、どう回収するかである。EVへの賭け金を減らしたことは後退にも見えるが、見方を変えれば、無理な拡張をやめて戦線を引き直したとも言える。AFEELAの中止は、その再編の号砲として受け止めるべきだ。

ソニーが学ぶべき「ある教訓」

 ソニーにとっても教訓ははっきりしている。強みは車両そのものの量産ではなく、ソフトウェア、センサー、映像、音響、コンテンツ、そしてユーザー接点の設計にある。2023年の段階でSHMは、自らを単なる自動車会社ではなくMobility Tech Companyと位置付けていた。この定義自体は間違っていない。

 問題は、その強みを完成車ブランドとして丸ごと市場に問うたとき、事業リスクまで一緒に抱え込む形になったことだ。ソニーが今後もモビリティで存在感を示すなら、完成車の前面に立つより、車載ソフト、エンタメ統合、先進HMI、画像センサーなど、横断的に供給できる領域で価値を取る方が現実的だろう。自ら車を売るより、多くの車に欠かせない機能を売る方が、ソニーらしい勝ち方に近い。

 日本メーカー全体にとっても、今回の1件は重い。世界のEV市場は拡大を続け、中国は価格競争力と供給力で主導権を握りつつある。その中で日本勢に問われているのは、EVをやるかどうかではなく、どこで利益を出せるのかを見極める経営の精度である。

 高価格で先進的な試みまで否定する必要はない。だが、それを成立させるには、商品企画、投入時期、販路、価格、収益構造が一体でなければならない。AFEELA撤退が示したのは、日本メーカーに夢が足りなかったことではない。夢を市場に翻訳する力が、まだ足りないという厳しい現実である。

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