• 2026/04/20 掲載

ANAは「脱安いだけ」、JALは「ブランド消滅」、日系LCC“第2章”幕開けで何が始まる?(2/2)

連載:北島幸司の航空業界トレンド

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偶然重なった「JAL系ジェットスター」の大転機

 一方で、競合するジェットスター・ジャパンも大きな転機に立たされている。2026年2月3日、豪州資本の離脱に伴いこれまでの「ジェットスター」からの脱却と、新ブランドへの移行を発表した。その日程は、2026年7月に株主間契約とブランド移行の最終合意、10月にジェットスターは消え、新たなブランドが発表される。2027年6月には株式譲渡手続きが終了し、ブランド移行が完了するというスケジュールだ。

画像
ジェットスター・ジャパンのA321LR
(筆者撮影)

 ブランドは変わるが、JAL本体への吸収合併ではないので、職員を含めた体制に変更は無い模様だ。社名を含めたブランド構築は成功の鍵でもあるので、グループ内のZIPAIRのように意表を突いた斬新な名前で、利用者を惹き付けて貰いたいものだ。

 ピーチ側は、ライバルであるJALグループの動向について驚きを示しつつも、自社のリニューアルは以前から準備を進めてきたものであり、他社と時期が近くなったのはあくまで偶然であるとしている。しかしながら、結果として同時期にANA・JAL両グループによるLCC戦略刷新の構図が鮮明になった事実は極めて興味深い。

安かろう悪かろうの終焉…「第2章」は何が始まる?

 さらにこのタイミングで、ANAグループ内では中距離国際線を担っていたLCC「AirJapan」が運航を停止した。ピーチのブランド刷新とAirJapanの休止が重なったことも偶然ではあるものの、グループ内におけるLCCの役割分担に変化が生じていることは明白である。

 AirJapanが担っていたミッションを今後どのように補完していくのか。将来的にピーチが長距離国際線へ進出する可能性も、もはや否定できない時期に来ている。アジアのLCCという枠を超え、ANAグループの国際戦略における主要な柱へと脱皮するシナリオが、現実味を帯びてきた。

 ANA系のピーチが品質とブランドの成熟を掲げて次なるステージを見据える一方、JAL系のジェットスター・ジャパンは、自立と新ブランドの確立という荒波の中での舵取りを迫られている。

 これまで互いを意識し、切磋琢磨することで市場を広げてきた両社。第2章の幕開けは、単なる価格競争の時代が終わり、グループ戦略の再編を巻き込んだ、より高次元なサービスとネットワークの競争へと突入したことを示している。大橋氏が語る「新しい世界を切り拓く」という言葉通り、日系LCCは今、まさに未知の領域へと足を踏み入れようとしている。

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