- 2026/04/20 掲載
ANAは「脱安いだけ」、JALは「ブランド消滅」、日系LCC“第2章”幕開けで何が始まる?
連載:北島幸司の航空業界トレンド
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する記事や連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。世界の航空の現場を取材し、内容をわかりやすく解説する。テレビ、ラジオの出演経験もあり、航空関係の講演を随時行っている。ダイヤモンド・オンラインでの連載、ブログ「Avian Wing」の他、エアラインなど取材対象の正式な許可を得たYouTube チャンネル「そらオヤジ組」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。
ピーチ社長が語った、ブランド刷新に込めた「強い意志」
ピーチは4月、ブランドリニューアルを断行した。機体やロゴのデザインを変更したほか、搭乗手続きの導線やWebサイトも刷新。リニューアルに踏み切った背景には、創業からこれまでの歩みと、コロナ禍という未曾有の危機を経て導き出した「進化」への強い意志がある。Peach Aviation 代表取締役CEOの大橋 一成氏は、リニューアル発表会の場で、累計搭乗者数が7000万人に達したことへの謝意を述べつつ、次のように語った。
「コロナ禍において会社の存続さえ危ぶまれる経験をしたからこそ、事業を継続するにあたり、単に以前の状態に戻すのではなく、さらに新しいステージを切り拓く決意を固めました」
同社は顧客から寄せられた意見を徹底的に分析し、地上から機内に至るあらゆる接点において改善を進めてきた。今回のブランド刷新はその集大成の1つである。
デザインオフィス「nendo」代表である佐藤 オオキ氏の手によって、ブランドは生まれ変わった。同氏曰く「これまでのピーチの若くはつらつとしたイメージを踏襲しつつ、新たに親しみ、温かみ、安心感を加味してデザインしました」。
搭乗の流れも激変? 見た目だけじゃない「変革の中身」
今回の刷新は、単なる見た目の変更に留まらない。「安かろう悪かろう」というLCCの既成概念を覆し、安さを維持したまま高品質化を図るという再成長を目指すための戦略的な一手である。大橋氏は、航空会社としての基本である「安全性」と「定時性」を徹底的に磨き上げることを強調している。具体的な成果として、2022年には国内最下位クラスであった定時運航率が、2024年には5位まで上昇した。この品質向上が、ブランドリニューアルを支える実質的な裏付けとなっている。
さらに、主力拠点である関西国際空港第2ターミナルのリニューアル開業(2026年4月1日)に合わせ、新しくなった国内線チェックインエリアにおいて、ピーチ初となる自動手荷物預け入れ機を導入。空港ビルの運用による保安検査場のスマートレーンも同時に運用を開始するタイミングとなった。
チェックイン機、手荷物タグ発行機、そして自動手荷物預け入れ機が動線に合わせて機能的に配置された。従来の対面カウンターに並ぶストレスを解消し、スムーズな搭乗体験を提供できる体制を整えている。デザイン面でも、ブランドの象徴である「葉っぱ」や「円」のモチーフが随所に配され、遊び心が刺激され、旅への期待感を高める空間が構築された。
今回はお披露目ということで、デジタル媒体と関西国際空港の施設が変わった。さらに今後は、他空港へも広がり、2026年夏以降の新制服の発表、そして2027年春には新デザインの航空機の導入と運航開始が待っている。 【次ページ】偶然重なった「JAL系ジェットスター」の大転機
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