- 2026/07/02 掲載
2期連続“減収減益”からどう逆転? 東京エレデバ新社長が打ち明けた「次の戦略」とは
東北大学大学院応用化学専攻修了。大手製造業を経て自治体に勤務し、大学での産学連携業務も経験。現在はビジネス分野を中心に取材・執筆。導入事例、記事広告、技術紹介、セミナー記事、SEO記事、法令解説記事などのほか、企業向けコンテンツ制作にも携わる。理系・技術職出身で、環境分野(脱炭素・廃棄物・水質)に強み。脱炭素アドバイザー(環境省認定)、公害防止管理者。著書に『ビジネス教養として知っておくべきカーボンニュートラル』(ソシム)。
宮本新社長が描く成長戦略、カギは「稼ぐ力」の強化
東京エレクトロンデバイスの2026年3月期決算は、売上高2,037億円(前期比5.8%減)、経常利益97億5,000万円(前期比14.6%減)となり、2期連続の減収減益となった。主力のEC(半導体及び電子デバイス)事業で、サプライチェーンの在庫調整が長期化したことなどが影響した。こうした難しい局面で社長に就任した宮本氏は、「過去のことは変えられません。会社のリーダーとしてやるべきことをしっかりとやるだけです」と気を引き締める。
同社は2030年に向けた中期経営計画「VISION2030」を掲げている。メーカー機能と技術商社機能の両輪で事業を成長させ、経常利益率8%以上(2026年3月期は4.79%)を目指す計画だ。しかし、策定時から事業環境は大きく変化した。そうした中で宮本氏が最も重視するのが、「稼ぐ力」の強化である。
「『稼ぐ力』をどう高めていくか。これが1番の課題だと感じています。必殺技のような手だてはないので、各事業を磨き上げ、地道に利益を積み上げていきたいと考えています」と宮本氏は語る。
具体的には、各事業の収益性向上や業務効率化を進めるとともに、成長が見込まれる分野へ積極的に経営資源を投入する。事業ごとの競争力を高めながら、持続的な利益成長につなげていく方針だ。
同社の事業は、EC事業と、IT製品・サービスを提供するCN(コンピュータシステム関連)事業のほか、近年は顧客の製品開発を支援する設計・量産受託サービスと自社製品の開発・製造を行うPB(プライベートブランド)事業の強化を進めている。宮本氏は、それぞれの事業をどのように成長させようとしているのか。
【PB事業】海外展開を見据えて「4年で売上2倍超に」
同社がPB事業を強化する背景には、海外で成長するためには自社製品が不可欠だという考えがある。「商社ビジネスは、どうしても国内市場が中心になります。将来を見据えると、海外でも戦える自社製品やサービスを持つことが重要です」と宮本氏は説明する。一方で、PB事業の足元は順風満帆とは言えない。2026年3月期の売上高は117億円と前期比19.5%減となった。産業機器向けの需要が低迷し、設計・量産受託サービスやウエハー検査装置の販売が伸び悩んだことが影響した。
それでも同社は、VISION2030でPB事業の売上高300億円規模、全体構成比10%を目標に掲げる。現状の2倍以上への成長をどう実現するのか。
「自社製品については品ぞろえの拡充に力を入れています。それでも技術要素として強化したい部分があれば、必要に応じて他社との提携やM&Aなども選択肢の1つとして検討しています」(宮本氏)
メーカーとして事業を拡大するには、開発・製造の設備投資と独自技術の蓄積が欠かせない。同社ではこの10年でそうした基盤づくりを進めてきた。その成果の1つがウエハー検査装置をはじめとする自社製品群である。今後も技術力の強化と製品ラインアップの拡充を進めながら、事業拡大を目指す。
また海外展開については、現地代理店やパートナー企業との連携を強化しながら営業活動を進めていく考えだ。 【次ページ】【CN事業】注目は「AI×セキュリティ」
半導体のおすすめコンテンツ
PR
PR
PR