- 2026/09/01 06:50 掲載
三菱重工やANAらに追い風? 防衛省は資料で触れず…「エアバス異例視察」の深いワケ(2/2)
連載:北島幸司の航空業界トレンド
ANA・JALにも機材調達で「追い風」に?
もちろん、防衛大臣がエアバスを訪問したからといって、ANAやJALが機材調達方針を変更することは考えにくい。航空会社の機材選定は、性能、経済性、整備体制、納期、資金計画など、極めて合理的な経営判断に基づいて行われる。
しかし、企業イメージや政府との関係性が営業活動においてプラスに働くことは否定できない。
日本のエアラインが保有する航空機は長年ボーイング中心の機材構成を維持してきた。ANAグループはA320neoファミリーやA380を保有しており、エアバスとの関係が薄いわけではないものの、ボーイング機が主力であり、その機数比率は70%。JALは経営破綻以降、A350シリーズを国内線・国際線の主力機材として導入し、エアバスとの関係を大きく深めたがボーイング機の機数比率は80%を越えている。
今後予想されるワイドボディ機の更新では、ボーイングだけでなくエアバスも有力候補となるだろう。その際、「日本政府との接点」や「日本市場との良好な関係」という企業イメージは、営業上の追い風となる可能性がある。
エアバスが今回、あえて民間旅客機を背景に小泉大臣の写真を公開した理由も、そのような長期的なブランド形成を見据えていたと考えると自然である。
航空機メーカー「新たな競争」の正体
今回、小泉大臣のファンボロー視察の舞台裏では、エアバスが日本の防衛トップの来訪を企業ブランドの発信へ巧みに結び付け、「総合航空宇宙企業」としての存在感を世界へ示していた。
見本市としての国際航空ショー。その周辺で展開される企業の情報戦にも、今後ますます注目していく必要がある。
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