• 2026/09/12 10:00 掲載

Unitree Roboticsが世界モデルAIで自律格闘する人型ロボットのデモ動画公開

AIが周囲の物理変化や相手の動きをリアルタイムに予測して判断

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中国のロボット開発企業Unitree Roboticsは、最新AIの世界モデルUnifoLM-X2-1.0を搭載した人型ロボットによるボクシングのデモを公開した。従来の遠隔操作や事前動作の再生ではなく、AIが周囲の物理変化や相手の動きをリアルタイムに予測し、攻撃や防御を自律して判断する仕組みを実証した。
 中国のロボット開発企業Unitree Robotics(宇樹科技)は2026年9月7日、AI世界モデルUnifoLM-X2-1.0によりリアルタイム駆動する人型ロボットの格闘実演動画を公開した。外部からの遠隔操作や台本に基づく動作再生を行わず、ロボットが自律して意思決定を行うシステムとして発表している。

 公開された映像では、同社の人型ロボットG1がグローブを着用し、防具を付けた人間のトレーナーを相手に攻防を展開した。相手の打撃を視覚情報から検知して回避し、姿勢や足運びを再調整しながらパンチやキックを繰り出す様子が示されている。打撃を受けた際にも関節の制御を最適化し、倒れずに姿勢を立て直す挙動も確認された。さらに、リング上に配置した2台のロボットが事前のシナリオなしに直接対戦する様子も公開されている。

 高速な物理的接触が連続する環境では、センサーで状況を観測してから反応する従来の制御方式では処理や応答の遅れが生じる。同社によると、UnifoLM-X2-1.0はロボット自身の状態や相手の運動量の変化を先回りしてシミュレーションする。攻撃が届く前に相手の軌道を予測して動作指令を生成することで、瞬時の計画と動的な接触への対応を可能にした。

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【図版付き記事はこちら】Unitree Robotics 世界モデルAIで完全自律稼働する人型ロボットの動画公開(画像:ビジネス+IT)
 制御システムには分散型の構成が採られている。ロボット本体のセンサーで捉えたデータを高速ネットワーク経由で外部のサーバーへ送信し、サーバー側で世界モデルによる予測と動作の再計画を実行したうえで、生成した指令を機体に返送してモーターを駆動する。

 Unitreeは今回の成果について、世界モデルで駆動する人型ロボットを大規模に展開するための基礎的な実現可能性を検証したものと説明している。激しい物理接触を伴う環境でリアルタイムに適応する技術は、不規則な障害物や突発的な事態が生じる工場や倉庫といった産業現場への応用にもつながる。  一方で、今回の実演に対しては課題も指摘されている。スパーリングの相手となった人間がロボットの反応しやすい一定の動作に合わせて動いていた可能性や、外部サーバーとの高速通信への依存性、二足歩行ロボット特有の安全対策といった実用化に向けた検証が今後の焦点となる。

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